[パソコン作画編第13回]
パソコン作画Q&A
 パソコン作画編の最後に、皆さんから寄せられた質問にお答えしたいと思います。
Q デジタルで描くと、どのくらい楽に描けるのですか?

A まず最初に断っておきたいのは、パソコン作画したからといって、絵がうまくなるわけでも、簡単に描けるようになるわけでもありません。便利なツールには違いありませんが、使えば必ず面白いまんがが描けるわけではないのです。
 パソコン作画の一番のメリットは仕上げの省力化です。たとえばある作家さんの場合、アナログ作画で32ページのトーン貼り作業に40時間近くかかっていたのが、パソコン作画にして10時間程度で終わった、と聞きました。1/4の時間です。失敗してもやり直しが簡単ですから、実際はもっと短い時間で仕上げられるかもしれません。
 パソコンを使ったデジタル作画は「楽」というよりも、「より短時間できれいに仕上げることができる」と考えてください。


Q ペンを使い始めてまだ1年ですが、すぐにパソコン作画に乗り換えた方がいいのでしょうか?

A 早い内にパソコン作画を習得した方が有利、と考えている方も多いようです。ただ、上のQ&Aでもお答えしたように、パソコンはまんがを描くための道具でしかありません。道具をうまく使えるのと、面白いまんがを描くことは別です。まずは普通にペンとインクと紙でまんがをきちんと描けるようになって、それからでもいいと思います。


Q WEBコミックなどのまんがもパソコン作画ですか?

A 最近は雑誌などの紙媒体だけでなく、パソコンで読むWEBコミックやケータイコミックなども人気ですね。パソコン作画はこういったデジタル媒体と親和性が高く、描いた作品を簡単にアップロードできるので便利です。ただしすべてパソコン作画というわけではありません。従来どおりの紙とペンで描いた作品をデジタルスキャンしているものもあります。
 新人コミック大賞とは少々ずれますが、小学館ではパソコン作画したまんがを自由に閲覧・投稿できるサイト『ドリームトライブ』http://www.dreamtribe.jp/を開設しました。腕試しの投稿、大歓迎です!


Q ペンタブレットの操作がうまくできません…

A 確かにペンタブレットを使うときは、目はモニター画面、手はペンタブレット、となりますから、今までの紙とペンとは感覚がまったく違います。しかしこれはもう慣れるしかありません。パソコンが普及し始めたとき、多くの人がキーボードやマウスの操作に戸惑ったのと同じで、使っているうちに感覚がつかめてくるでしょう。


Q いいことばかりのようですが、欠点はないのですか?

A アナログ作画は描いたものが必ず残りますが、パソコン作画の場合、操作を間違えると、せっかく描いたデータがなくなってしまうことがあります。  ある作家さんの場合、Aというまんがの作画データを、Bというまんがの作画データに間違えて上書きしてしまったため、Bのまんががまるまるなくなってしまった、とか。疲れてくるとついうっかりやってしまいがちです。対策としては、

1)まんがタイトル毎にフォルダを作って、安易に上書きしない

2)「無題~」というデフォルトのファイル名は使わない。かならず「SHINKOMI080815.PSD」などのわかりやすいファイル名をつける

3)上書き保存は避け、何かの作業をしたら、必ず別のファイル名をつけて保存する。2)のように内容をあらわす名称と080815などの日付のファイル名にするとわかりやすいと思います。


などでしょう。
 また、パソコンのハードディスクが壊れたり、CD-Rに焼いたものが読めなくなってしまうトラブルもあります。大切なデータは、外付けのハードディスクにも保存するなど、きちんとバックアップをとっておきましょう。


Q 父から譲り受けたノート型のパソコンで使い出したのですが、動作が遅くてイライラします。

A ノート型でも最新のものなら、画面解像度も高く、動作も機敏なのですが、数年前のものですと、まんが制作ソフトを動かすには厳しいかもしれません。もともとノート型パソコンは省電力優先で、WEB閲覧やワープロなどには充分ですが、グラフィック系ソフトを快適に使うようには作られていません。厳しいようですが、買い換えをおすすめします。


Q 紙に印刷すると、トーンが思ったより濃くなってしまいます。

A モニター画面で見る印象とは違ってしまうことがよくあります。モニターの調整やプリンターの機種によっても違いますが、濃くなるようなら、一段明るいトーンにしてみましょう。60L10%なら、55L10%などに貼り替えてみるのです。ただ濃さは好みの問題もあるので、何度か試してみて、最適のものを見つけるしかありません。



 さて、『まんが家養成講座パソコン作画編』は今回で最後になりました。長らくのおつきあい、本当にありがとうございました。このページが皆さんのまんが制作に、そして新人コミック大賞の受賞に少しでも役立てば幸いです。
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