[実践:めざせ!受賞編第10回]
ストーリーはどうやって作るのか?(10)
 長々とお話ししてきたストーリー編ですが、ストーリーを作るときの注意点をご紹介して、まとめにしようと思います。新人コミック大賞の応募原稿を拝見していて、よくある事例から、ビギナーの皆さんが陥りがちなポイントについてです。あなたが考えたストーリーは、こんな罠にはまっていませんか?

●今の画力では描ききれないテーマ・ストーリーになってはいないか?

 応募原稿の中でも多い例です。メカ総出演のSFやファンタジーなどをまんがで描く場合、それを説得力あるまんがにするためには作画力が不可欠です。そもそもSF・ファンタジー系はプロでも作画で苦労する題材です。また動物・自然などをテーマにした作品もかなりの画力が要求されます。最初は、自分の画力に見合ったテーマ・ストーリーを選んだほうがいいと思います。

●ひとりよがり、ご都合主義の展開になってはいないか?

 なぜそうなるのか、どうしてそうなるのか? 登場人物の言動やストーリーの展開には、きちんとした裏付けが必要です。ただ面白いから、読者が驚くだろうから、では納得できないまんがになってしまいます。たとえば、主人公が闘いに敗れ、その後さらに強くなって復活するような展開の場合、なぜ主人公はよみがえったのか? なぜさらに強くなったのか? をきちんと紹介しないといけません。

●登場するキャラクターが多すぎないか?

 これもご都合主義の延長線にあります。最初は主人公・ヒロイン・サブキャラ数人で始めたのに、途中、主人公とからむ師匠が欲しくなった、主人公を助ける謎の男が欲しくなった…などで、どんどんキャラが増えていってしまうことです。突然現れて、都合のいいことをして、去っていく、そんなキャラはいないでしょうか? 限られたページ数の中で、登場人物が増えることはそれだけ他のキャラが薄まってしまうことになります。最初にキャラを考えるときに、役割や人間関係をきちんと整理してください。

●テーマは明確になっているか?

 このまんがは学園恋愛まんがです、このまんがは夏期合宿での友情がみどころです…などなど、これから描こうとしているまんがをあなたはわかりやすく説明できますか? それが明確なまんがであれば、読者にとっても(また審査員にとっても)わかりやすいまんがです。延々読んだあと「結局これはなんのまんがだったのか…」わからない作品もとても多いのです。

●メリハリはあるか? 1本道になってはいないか?

 めざせ!受賞編第8回でもお話ししましたが、ストーリーの流れが1本道でフラットな展開ほどつまらないものはありません。読者は次の展開を予想しながら読み進めていきますから、その予想を時には裏切りながら、えっ、と思わせる仕掛けも必要です。キャラの置かれた状況や気持ちにメリハリをつけて、飽きさせないように。自分が1読者になった気持ちで全体をながめてください。

 いかがですか? あなたの考えているストーリーは大丈夫でしたか? もちろんこれらの注意点を守っているから、面白いまんがになるわけではありません。これらは最低限の決まりのようなものです。そこから先、受賞に値するまんがにするためには、+アルファの面白さ、新鮮さや個性がなくてはならないのです。

 次回はコマ割りと構図についてお話ししたいと思います。読み手を飽きさせない効果的な画面構成についてです。お楽しみに!(6月18日(月)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
[実践:めざせ!受賞編第9回]
ストーリーはどうやって作るのか?(9)
 今回は具体的なストーリー構成についてご紹介します。おおまかな構成ができたら、より細かな構成をして、ページごとに割り振っていきます。絵コンテ(ネーム)の前段階です。プロの作家さんは構成をすべて頭の中でおこなって、いきなり絵コンテから入る人も多いのですが、これは週間連載などで時間的な余裕がないことが大きな理由のようです。新人コミック大賞に応募する場合は、時間はたっぷりありますから、絵コンテを描く前にきちんとしたストーリー構成をしておいたほうがいいでしょう。特に32ページなどの読み切りは詳細な構成なしに絵コンテを切ると、途中でページ数が足りなくなったり、ページ配分のバランスが悪くなったりしがちですから。

●プロの作家さんはこうしている

 絵コンテ前の最終的なストーリー構成のやり方は、作家さんによって様々ですが、代表的な手法を3つ紹介します。

[1]付箋とノートを使う方法
 以前、実践第4回のエピソードの回で紹介した方法です。考えた細かなエピソード毎にポストイットなどの付箋に1枚1枚書き出し、ページ数を振ったノートに貼り付けていきます。実際のまんがを読むようにページ毎に構成が見渡せること、そしてエピソードの入れ替えや再構成が簡単にできること(付箋をはがし、別のページに貼り直す、また新たに付箋を書いて貼り足す…)など、とても効率的なやり方です。コマ割りのイメージもしやすいので、次の絵コンテがとてもスムーズにできます。付箋に簡単な絵やセリフを書き込んで、これで絵コンテにしてしまう作家さんもいるくらいです。

[2]1枚の紙を使う方法
 今でも多くの作家さんが使っている手法です。右のイラストのように、ページをイメージした枠をB4サイズくらいの1枚の紙にページ数分書き入れて使います。ページ毎の枠はすごく小さくなるのですが、ここにエピソードを書き込んでいきます。簡単な絵を描き入れることもあれば、セリフや擬音だけを入れる人もいます。1枚で多くのページを見渡せるので、全体のバランスをつかみやすいこと、手軽なこと(最初に作ったひな型を何枚もコピーしておけば使いやすい)で人気があります。ただ、エピソードの入れ替えや再構成する場合は少々面倒ですね。

[3]文章で書く方法
 ちょっと特殊なのですが、頭の中でまとめた構成を文章で書き出す手法です。ページの区切り毎にナンバーを振って書いていきます。ワープロを使えば、エピソードの入れ替えや再構成も容易です。コマ割りなどのイメージはしにくいでしょうが、なれればこれも手軽なやり方です。これを絵コンテがわりにして、次の下書きに進んでしまう作家さんもいます。

●自分に合ったやり方をしよう

 ここでは3つのやり方を紹介しましたが、あなたの気に入った方法はありましたか? 必ずこの方法でやらなければならないということはありません。紹介した以外にもあるかもしれません。要は次の段階の「絵コンテ」が作りやすいやり方であれば、なんでもよいのです。絵コンテは最終的なまんが設計図になります。おおまかなコマ割り、セリフ、構図などが入りますが、ストーリーの構成はその前に終わっていなければなりません。そのための一番やりやすい手法をみつけてください。

 次回は『ストーリーの作り方編』の最終回になります。今までのまとめと注意点についてお話をしようと思います。お楽しみに!(6月4日(月)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
[実践:めざせ!受賞編第8回]
ストーリーはどうやって作るのか?(8)
 テーマも決まった、キャッチもキャラクターも魅力的、エピソードもOK、となれば次はストーリー構成です。限られたページの中でどのようにエピソードを配置して、面白いストーリーにしていくか、その設計図を作るのです。

●ストーリー構成の基本は「起承転結」

 構成の基本として、よく耳にするのが「起承転結」という考えです。ストーリーを4つのパートに区切って考える手法です。例えば、

起=かっこいい男の子が転校してくる(発端)
承=その男の子と仲良くなる(発展)
転=しかし彼の元カノが現れる(急転)
結=彼とめでたくラブラブに(結末)

という流れです。オーソドックスですが、とてもわかりやすい考え方で、32ページなどの読み切り作品では、まずこの考え方で構成してみるといいでしょう。

ではそれぞれのパート別に解説します。

[1]起:これからこんなに面白いまんがが
始まります!

 まんがの出だしのパートです。主人公はどんな人物なのか、主人公と他のキャラクターとの関わりは? このまんがの舞台や世界観などを説明しますが、大切なのはこのまんがの読み方を読者に伝えることです。「これは超能力バトルまんがです。あなたが期待する超絶なアクションをこんな主人公がやってみせます」…など、以前「キャッチ」で紹介した部分をしっかりと見せ、読者の興味を引くことに全精力を注ぎましょう。

[2]承:キャラの活躍から目が離せない!
 エピソードを重ねながら、どこに向かってストーリーが進んでいくのか、をきちんと提示してあげるパートです。主人公をはじめとした各キャラクターへの理解を深めてもらい、盛り上げていきます。ワクワクした期待感から、ドキドキする高揚感へと読者を引っ張っていきます。注意しないといけないのは、「筋書き通りの展開」にならないようにすること。読者は読みながら「次はこうなるだろうな」という推測を無意識にします。そのとおりになってしまうと「なーんだ」となるわけです。すべてがそうである必要はありませんが、時に読者の読みを裏切りながら進めます。新しい事実が明らかになったり、敵の正体が次第にあきらかになったり、飽きさせないようにしてください。

[3]転:そしてクライマックス、えっ、まさか…!?
 盛り上げてきたテンションを一気に高め、クライマックスへと導くパートです。作品一番のとっておきのエピソードや仕掛けをここで使います。驚きや意外性が大切です。実は最後の敵、一番の大物は、こんな意外な人物だったとか、主人公の剣がさらに進化し強力に…とかですね。主人公や敵のかっこいいセリフもここで使うと効果的です。

[4]結:みんなよかったね、あ~面白かった!
 単なる後始末のように考えがちですが、読後感を決める大切なパートです。バトルが終わって、主人公はどうなった? 敵キャラは? などその後のキャラをきちんと紹介します。主人公とヒロインをしっかりとくっつけるのもここでやるのが普通です。読者に安心と満足感を与えられれば、読後感はとてもいいものになるでしょう。また、実は「主人公とヒロインは昔からの許嫁だった」などさらなるオチをつけることもアリだと思います。

 基本は上で紹介した感じです。簡単にまとめると、
[1]まず冒頭で読者の心をつかむ。読者をワクワクさせる。
[2]つかんだ読者の興味をなくさないようにエピソードを重ね、盛り上げていく。読者をドキドキさせる。
[3]一番おいしいエピソードで、読者を驚かす。
[4]最後に読者をホッとさせる。

各パート毎に、これができればベストですね。

●各パートのページ数はどうする?

 では32ページの読み切りの場合、この起承転結それぞれのパートにどのくらいページを振り分ければいいのでしょうか? 単純に8+8+8+8と割り振ってもなかなかうまくいきません。もちろん内容にもよりますが、学園モノなど世界観の説明が不用であれば、6+14+8+4くらいでしょうか。またファンタジーであれば、10+14+6+2、などのようなケースもあるでしょう。決まった公式はありませんから、入れたいエピソードによって変えていいと思います。また、パート毎に明確な区切りをつける必要もないと思います。起のパートがフェードアウトして、承のパートがフェードインするようなイメージでいいのです。

●「起承転結」が絶対ではないけれど…

 この「起承転結」は構成の基本ですが、絶対に守らなければいけないわけではありません。作りたいストーリーになじまないこともあります。たとえば、あえてクライマックス直前のパートを一番最初に持ってきて、読者の興味を引き、なぜそうなったかを回想のような形で見せていくこともありでしょうし、起と結つまり、オープニングとエンディングはそのままに、間を承と転の繰り返しでつないでいく方法もあるかもしれません。ただあまりに変わった構成にしてしまうと、読者がついていけずに戸惑う危険があります。
 作画と同じく、ストーリーの構成も場数や経験が必要です。すぐに面白い話が作れるわけではありません。どうしてもうまくできない場合は、あなたが面白いと思ったまんがの構成がどうなっているか、調べてみてください(なるべく読み切りなどの短編で)。小説や映画、TVドラマでもかまいません。箇条書きでエピソードを並べていくと、その作品がどういった構成になっているか、わかります。面白いからといって、特別な構成になっているわけではありません。エピソードやキャラクターは斬新でも、構成は「起承転結」の案外オーソドックスな作品が多いものです。

 次回はストーリー構成の続きになります。具体的な例を紹介しながら、構成についてお話ししてみたいと思います。お楽しみに!(5月21日(月)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
[実践:めざせ!受賞編第7回]
ストーリーはどうやって作るのか?(7)
 今回はちょっと番外編っぽいのですが、キャラクターの名前についてお話ししてみたいと思います。人気コミックのキャラクターには印象的な名前がついています。それは憶えやすい名前であったり、呼びやすい名前であったり、イメージにぴったりの名前であったりいろいろですが、どうやって命名しているのでしょうか?

●キャラに名前をつけよう!

 プロの作家さんもキャラの名前には苦労するようです。連載の直前になっても主人公の名前が決まらないこともよくあります。まんがのタイトルが主人公の名前がらみであることも多いので、作家さんもとても慎重になっているのです。  既存の人気キャラの名前とかぶらず、音がよく、印象に残る…そんな名前をつけたい、と―――

姓名辞典や人名辞典を片っ端からあたる
友人など、知り合いの名前を拝借する
歴史上の人物や神話から拝借する(信長、卑弥呼、アキレス、アーサー、など)
自然現象や地名、動植物などの名前からとる(かすみ、おぼろ、摩耶、杏、など)
難読苗字からとってみる(小鳥遊=たかなし、四月一日=わたぬき、など)


などなど、いろいろなアプローチで気に入った名前を探しているようです。候補をいくつかあげて、さらに姓名判断などをして決める作家さんもいます。
 なお、名前を決める場合、苗字・名前・ニックネーム(あだ名)などをセットで考えるのが普通です。下のイラストのように、人間関係によってそのキャラへの呼び方が違うからです。
 このように使い分けるのが自然なのですが、あまり頻繁に呼び方を変えると、読者が混乱するかもしれません。なるべく最初にきちんとフルネームを印象づけるようにしたほうがいいでしょう。キャラの命名には制約はありませんが、名は体をあらわすといいます。印象的で素敵な名前をつけてあげてください。

●キャッチフレーズをつけてみる

 キャラの名前とは別に、その性格やビジュアル、特徴的な持ち物などをあらわすキャッチフレーズでキャラを呼ぶこともおもしろいと思います。例えば、

"音速の貴公子"=アイルトン・セナ
"赤い彗星"=シャア・アズナブル
"鉄血宰相"=ビスマルク


などですね。キャッチフレーズだけで、そのイメージや特徴がわかるので名前に代わる呼び方として重宝します。ライトノベルなどでは、ビジュアルのイメージをおぎなう意味で、よく登場しますが、かっこいいキャッチフレーズができれば、そのキャラはより印象的になります。
 イラストでは、少年の持つ剣の名前をキャッチフレーズにした例です。使いどころが難しいのですが、効果的なシーンで入ると、かっこいいですね。

 さて、次回はストーリーの構成についてです。どの順番でどんなエピソードを連ねるか、効果的な構成とはどんなものなのか? ご紹介していきたいと思います。どうぞお楽しみに!(5月7日(月)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
[実践:めざせ!受賞編第6回]
ストーリーはどうやって作るのか?(6)
 キャラクター創りの続きになります。前回お話ししたキャラの設定や性格づけと並行して、キャラのビジュアル(見た目)を考えることは、とても大切なことです。キャラの第一印象はビジュアルに左右されるからです。いかに目立ち、印象に残るキャラを創るか、今回はそんな過程についてお話しをしてみたいと想います。

●キャラクターのラフスケッチを描いてみる

 主要なキャラごとに顔の表情や全身、いろいろなポーズなどを描いてみます。ラフスケッチという作業です。あなたが考えるそのキャラの魅力や特徴・設定をイメージした絵を描いてみましょう。
「服をもっと派手にしないと、目立たないかな…」
「髪型が他のキャラをかぶるから、変えよう…」
「アクションのときは必ず、風で服がなびくようにしよう…」
など、納得がいくまで考えてください。

 ポイントとしては、
[1]まず、ぱっと見で印象的か?
[2]アクションシーンなどで動かしたときにかっこいいか?
[3]アップ・ロングで目立つか? 他のキャラと区別できるか?
[4]そのキャラの名前やニックネーム、言動に合っているか?


などでしょうか。もちろん他にも細かいポイントはたくさんあるのですが、とにかく目立つか、存在感があるか、が大切です。プロの作家さんはこのラフスケッチをとても大切にします。ぱっと見ただけで忘れられないキャラを創るというだけでなく、そのイメージからストーリーをさらにふくらませていったりもするのです。

●キャラ表を創ってみよう

 キャラ表というのは、主要なキャラを一枚の絵にならべて描き、バランスや差別化を検討するものです。ラフスケッチを経て、各キャラが決まったら、立ちポーズで並べてみます。集合写真のような感じですね。
 どうでしょうか? 主人公を目立たせるあまり、他のキャラから浮いてないでしょうか?
 逆に体型や身長が似通って差別化できていないようなことはありませんか? 実は32ページ読み切りくらいのキャラ数では、キャラ表を描かないことも多いのですが、キャラ全体を見渡す意味でも一度描いてみることをおすすめします。もしバランスが悪いようでしたら、ラフスケッテに戻って、キャラのビジュアルを考え直してみましょう。

 キャラのラフスケッチやキャラ表は、アニメやまんがの連載企画書には必ず添付されています。人に見せ、その面白さを伝えるためです。新人コミック大賞に応募するまんがを描く場合には、絶対必要な過程ではありません。自分がわかっていればいいのですから。でも、キャラを創るときにはとても役に立ちます。ノートになぐり描きのようなものでもかまいませんから、ぜひ試してみてください。

 次回はキャラクターのネーミングなど、キャラ創りのポイント・エトセトラについてです。お楽しみに!(4月16日(月)更新予定)
[実践:めざせ!受賞編第5回]
ストーリーはどうやって作るのか?(5)
 今回からはキャラクターについて考えてみましょう。キャラクターは映画やドラマでいえば役者さんです。誰にどんな役を演じさせるか、配役では悩む監督さんが多いようです。俳優さんも役作りで苦労することがあります。でもまんがの場合は頭を悩ませる必要はありません。どんなキャラでもあなたが自由自在に創りだせばいいのです。

●キャラクターを創るために

 32ページの読み切りまんがで考えると、登場する主要なキャラは、
〈主人公〉
〈ヒロイン〉
〈サブキャラ数人〉
といったところでしょうか。他にチョイ役が必要かもしれませんが、メインでないなら考えなくてもいいでしょう。これらの主要なキャラについて、

『外見』=顔・体型・年齢・服装・持ち物 など
『内面』=性格・趣味嗜好・行動・しゃべりかた など
『環境』=友人関係・家族・人気・資産 など


 これらの設定をしてゆくのがキャラクター創りになります。あなたの中に「こんなキャラでまんがを描きたい」という明確なイメージがあれば、それをもとに考えればいいのですから簡単です。ではイメージがわかない場合は? 特に、主人公は決めたけど、サブキャラをどうしようかなあといったときは、あなたの知っている友人やタレント・映画スターなどをベースにして考えてもいいかもしれません。もちろん既存のまんがや小説・映画などからのキャラ盗用は絶対してはいけません。
 ここで気にしなければいけないことは、外見・内面・環境の3つは連動していることです。
たとえば家がお金持ちなら、服も高価なものを着ているでしょうし、趣味や行動もハイソかもしれません。おもしろいからといってあまりに極端にしてしまうとリアリティーがなくなってしまいます。ただ、典型からわざとはずして、「貧乏なのに見栄はって外見を飾っている」などの設定はアリです。「こんな人がいたらおもしろいかも…」そんな思いを存分に発揮してください。

●キャラクターをマッピングしてみる

 では具体的にキャラクターはどのように考えていけばいいのでしょうか。今回はマッピングという手法で、まずおおまかにキャラを考えてみましょう。下の図のように十字を書き入れ、上で紹介した〈外見〉・〈内面〉・〈環境〉から2つを選び、それぞれ縦と横に設定します。図では、縦軸に外見(かっこいい・悪い)、横軸に内面(性格明るい・暗い)を選びましたが、自分で理解しやすい、イメージしやすいものでいいでしょう。
 この図に主人公を始め、登場キャラごとにその位置に点を打っていきます。あなたの思い描いているキャラはどこの位置になったでしょうか? 主人公でよくあるのは(かっこいい)と(性格明るい)のエリアに入るキャラです。また、サブキャラですと、どれか一つの軸がマイナスにふれた、図のブルーのエリアが多いでしょう。
 すべてのキャラをマッピングしてみて、あるエリアに集中しているようなら、それは似通ったキャラが多いことになります。これではストーリーは広がりません。一からキャラを考え直したほうがいいかもしれません。
 図の赤いエリアは主人公に多いエリアですが、サブキャラを配しても面白いかもしれません。またバトルの敵キャラが入ってもいいかもしれません。普通に考えると図のようになりますが、だから面白いわけではないのです。
 赤いエリアをあえて避けて主人公を考えるのも手です。たとえば、中心の緑のエリアは『無色透明で目立たないキャラ』の典型です。自分から積極的に行動を起こさない、大勢いそうなキャラですね。最近多いのがここの緑のエリアに主人公を求めるものです。スーパーヒーローではなく、身近で親しみやすいキャラです。

「普通の高校生が事件に巻き込まれ、物語が進む…」
「何も知らなかった男が、やがて自分の能力にめざめていく…」
「普通の主人公とそれを取り巻くエキセントリックな仲間たち…」

 そんな展開を考えているなら、いい選択だと思います。

●各キャラクターの位置は基本的に変えない

 一度決めたキャラの位置は、ストーリーが進んでも変えないのが普通です。もし性格が地味だったキャラが突然派手になったとしたら、読み手は混乱してしまうでしょう。実際、長年培った性格などはそんなに簡単に変わったりはしません。特にサブキャラの場合は一貫していたほうが動かしやすいと思います。ただ主人公の場合、例外があります。それは成長です。
 最初はマイナスの要素を抱えた主人公が、エピソードを通して、成長していく、大人になっていく…などの場合は、図のようにあえて位置を変えてもいいかもしれません。それが読者にとって心地よい方向への変化であるなら許されるのです。また、読後感もとても良くなります。ただし、なぜ主人公がこのように変わったのかを、きちんとエピソードで説明しないといけません。

 何の気なしに考えていたキャラを、一度マッピングで整理して考え直してみてください。妙にバランスが悪かったことを知らされたり、足りないキャラに気づいたり、便利な手法です。
 次回は、キャラクターの目立たせ方などについて紹介してみたいと思います。お楽しみに!(4月2日(月)更新予定)
[実践:めざせ!受賞編第4回]
ストーリーはどうやって作るのか?(4)
 ストーリーを具体的に作っていく上で欠かせないのが『エピソード』です。今までにお話しした『テーマ』や『キャッチ』も、また次回以降ご紹介する『キャラクター』も、どんなエピソードにするのかによって、それが読者にきちんと伝わるかどうかが決まるのです。今回は具体的なテクニックを交えて紹介しましょう。

●『エピソード』って何だ?

 エピソードは、ストーリーの中で起こる出来事一つ一つを指します。たとえばファンタジーまんがを例にとれば、
『昼休み、学校の屋上、友人と遊び半分で描いていた六芒星が光り出す』
『突然光に包まれる主人公、そして異世界に召還される』
『召還された世界~夜、頭上に3つの月が輝く ここが地球ではないことを知る』
『目の前には深い森、はるかかなたに高い塔らしきもの それを目ざし歩き出す』
……
 この『』で区切られた場面ごとのひとかたまりがエピソードです(もっと細かく考える場合もあります)。
 いつ、どこで、だれがなにをどのようにするのか? 具体的なアイディアやキャラクターの行動がエピソードというわけです。

●『エピソード』からストーリー構成を作る技『付箋&ノート』

 1つのまんがはエピソードの集合でできています。その作品のキャッチになりそうなスペシャルなエピソード以外にも、小さなエピソードなども必要です。  このエピソードたちを順番にならべていったものが、ストーリーの構成です。しかしエピソードはただ時間経過順にならべればいいわけではありません。最初に主人公のバトルシーンを入れる方が、読者にアピールするかもしれませんし、推理ものであれば、最初に犯人を特定してしまうことだってアリです。いろいろ試行錯誤しながら、このエピソードが効果的なのはどこか?と悩むのもストーリー作りでは日常茶飯事なことです。
 あなたは思いついたエピソードをどうしていますか? アイデアノートなどに書きためている人も多いのではないでしょうか?
 とある作家さんのアイデアノートをみせていただいて驚きました。そのノートには、5×5cm大の付箋(ふせん:ポストイットなどの簡単に貼ったりはがせたりできるメモ紙のことです)がびっしり貼ってあったのです。一つ一つの付箋に、思いついたエピソードが書かれています。ストーリーの構成を考える場合はその付箋をページ数を書き入れた別のノートに振り分けながら貼っていきます。ノートのページが実際のまんがの構成になります。
 もし「このエピソードはもっと前に持って行ったほうが効果的だな…」ということならば、そのエピソードが書かれた付箋をはがして、前のページに張り直します。不要なエピソードははがせばいいだけですし、このページにはもうエピソードが入りきらないならば、後ろのページに移して…と、とても簡単にストーリー構成ができます。また、不要なエピソードも別のノートにまとめて貼っておけば、いつか別の形で再び使うことができるかもしれません。とても効率的な手法なので、感心してしまいました。
 パソコンのワープロなどで、エピソードをカット&ペーストしながら構成するのも効率的だと思いますが、付箋&ノート式のページごとにエピソードを見渡せることは大きな利点です。まだ決まった手法がないようでしたら、付箋を使ったこの手法、ぜひあなたも試してみてください。
 なお、ストーリー構成に関しては回をあらためて、より詳しくご紹介します。

 次回からは『キャラクター』のお話をしましょう。キャラクターの作り方・考え方についてです。どうすれば魅力的なキャラクターを作れるのでしょうか? お楽しみに!(3月19日(月)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
[実践:めざせ!受賞編第3回]
ストーリーはどうやって作るのか?(3)
 今回は『キャッチ』についてお話ししましょう。『キャッチ』はまんがだけの言葉ではなく、広告や商品開発などの業界でも大切な考えです。「この商品は他の商品とここが違うのだ、優れているのだ」とアピールする文章や表現が『キャッチ』です。「20%増量で、お値段半額!」や「アカデミー賞8部門受賞!審査員も泣いた感動超大作!」など、まず注目してもらう、そしてその商品を買ってもらうための考え方なのです。

●それは新鮮か? オリジナリティーがあるか?

 プロの作家さんは、まんがの構想を練るとき『キャッチ』=「このまんがが他のまんがと違うところ、新しいところ、魅力的なところ」を必死で考えます。それが面白さにつながることをよくわかっているからです。比喩が不適切ですが、キャッチは『武器』といいかえてもいいかもしれません。あなたがたくさんの応募まんが作品と闘って、受賞するための武器です。少しでもアピールするためには、強い武器(キャッチ)を手に入れなければならないのです。

 キャッチは「新鮮さ」と「オリジナリティー」が命です。たとえばファンタジーまんがを描いたとして、どこかの小説と同じ内容やキャラクターでは、「どこかで見たような、ありきたりなまんが」と思われてしまいますし、読んではもらえないかもしれません。新鮮であり、唯一無二であるから、驚いて、おもしろがってくれるのです。では、キャッチはどうやって見つけるのでしょうか?
 一番はテーマでもお話ししましたが「なぜこのまんがを描きたいのか?」ということです。あなた自身が面白いと感じたから、そのまんがを描きたいと思ったのでしょう。どこが面白いと感じたのかを、もう一度よく考えてみてください。それがキャッチになるのです。

 例えば、「こんなキャラクターが刀でこんなバトルをするのが面白い」と思ったとします。それが今まで読んだどのまんがにもなかったのであれば、それはキャッチになります。またテーマが斬新で、誰もやったことがないものなら、それがキャッチになるかもしれませんし、主人公のキャラクターが魅力的なら、それがキャッチになります。女の子の絵がとてつもなく可愛く描けるなら、それも立派なキャッチです。キャッチはストーリーだけの考え方ではなく、作品のあらゆるところがキャッチにできるのです。

●『キャッチ』はまんがを読ませる力になる

 よく読んでいるまんが雑誌に新しい作品が掲載された時、あなたはどう読みますか? まず数ページ読んでみて、面白そうなら読み進める…、そうでなければパラパラめくっただけで読み飛ばしてしまう… そんな感じでしょうか。
 すでに有名な作家さんの作品なら、とりあえず最後まで読んでもらえるかもしれませんが、まだネームバリューのない新人作家さんは、読み飛ばされたら終わりです。いくらキャッチが面白かったとしても、最後まで読まないとわからないようでは、読んでもらえないのです。「全部読めば面白い」ではダメで、「最初の数ページで面白い」を目指すべきです。そしてキャッチをそこにしっかりと盛り込んで、わかりやすく表現しましょう。もし考えたキャッチがバトル、アクション系ならば、いきなり壮絶なアクション・シーンから入る…、癒しやヒーリングがキャッチならば、大きなコマをゆったりと使った自然の風景シーンを多用してみる…、のもいいかもしれません。

 また、扉ページにも力を入れましょう。応募作品を見ていると、かなりなおざりな扉ページの作品を見かけます。これではアピールできません。キャッチやキャラクターが1ページに凝縮したのが扉ページです。それがしょぼいと、それだけで敬遠されてしまうかもしれません。「これから、すごく面白いまんがが始まりますよ」というキャッチにあふれた絵をぜひ描いてください。映画のポスターなども参考になります。
 魅力的なキャッチを作ることは本当に難しいことです。しかし同時に、キャッチが弱いもしくはないまんがは雑誌掲載もされません。まんが雑誌では年に何回か、新連載作品のコンペをやります。数か月先に始まる連載作品を決める大切な会議です。まんが家さんが作ったキャラ表やコンテに担当編集が企画書をつけて提出し、十数作品から、数作品を絞り込みます。このとき重視するのがキャッチです。キャッチが明確で優れていれば、ヒットする可能性も高まるからです。

 新人コミック大賞の審査も同じです。絵はまだまだ発展途上でも、表現したい内容が新鮮だったり、オリジナリティーがある作品は高評価されることが多いのです。「こんなにまんががあふれているのだから、斬新なキャッチなんてないよ…」と思うかもしれません。でも現在、ヒットしている作品は、確かに作者が思いついているのです。限界があるわけでも尽きてるわけでもありません。  何か一つ、小さいことでもかまいません。それを磨いて、ふくらませて、魅力的なキャッチにしてみてください。

 次回は「エピソード」についてです。お楽しみに!(3月5日(月)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
[実践:めざせ!受賞編第2回]
ストーリーはどうやって作るのか?(2)
 前回はストーリーの4つの柱、『テーマ』、『キャッチ』、『キャラクター』、『エピソード』について簡単にご紹介しました。今回からは、より詳しくお話ししていこうと思います。まずは『テーマ』についてです。

●『テーマ』は「読者に何を伝えたいのか」である

「そのまんがで何を伝えたいのか?」がテーマだと、前回も紹介しました。そして一度決めたテーマはぶれてはならないこともお伝えしました。テーマがしっかりしていると、まんがとして筋が1本通った、わかりやすい・伝わりやすいまんがになります。
 テーマ選びはなんでもかまいません。「友情」や「家族の絆」、「成長」…など、あなたが経験した身の回りのことでもいいでしょうし、感動したことをまんがにしてみたい、でもいいでしょう。あなたがそのまんがを描きたい理由が込められているならば、なんでもテーマになります。

●『テーマ』がすべてではない

 では具体的にストーリーを作ってゆく場合、どうするのでしょう? オーソドックスな手法は最初にテーマを決めて、それにそってキャッチやキャラクターなどを考えていくものです。描きたいテーマがあるならば、これでいいと思います。
 たとえば「見た目も性格もいまいちな女の子のシンデレラ・ストーリーが描きたい」となれば、テーマは「サクセス・成長・勝利」というとても明確なものですから、それに合わせたこんな主人公キャラ、王子様キャラ…などと進めていくわけです。
 ただし、テーマがすべてではありません。プロの作家さんもテーマからではなく、描きたいキャラクターやエピソードから考えていく人も多いようです。
「こんなキャラクターが刀を持ってチャンバラしたらおもしろいかも…」
「こんなカーチェイスが描きたいなあ…」
「もし、地球が1か月後に滅ぶとしたら、何やるかなあ…」
といったところからふくらませて、あとづけで「自己犠牲・英雄誕生・…」などのテーマを入れることもあります。
 「おもしろいまんがはテーマが明確」とは言えますが、「テーマが明確だから、おもしろいまんがになる」わけではありません。テーマで悩むより、キャラクターやエピソードで悩んだ方が有意義です。前回もお話ししましたが、テーマはわかりやすく普遍的であることが多く、まんがのおもしろさとはまた別の問題です。

●読者層を考えた『テーマ』選びをしよう

 新人コミック大賞では部門別に作品を募集していますが、部門毎に成立しやすいテーマ、成立しにくいテーマがあります。一例ですが「仕事」、「郷愁」、「恋愛」などのテーマは、青年部門なら成立しますが、児童部門では難しいでしょう。描きたいテーマがねらっている部門・読者の年齢層に合ったものかどうかは、よく考える必要があります。
 もちろん絶対ではありませんので、「仕事」がテーマのまんがでも、こんなキャラクターやエピソードを盛り込めば、小学生の読者にも楽しんでもらえる、というのであればチャレンジしてみてもいいと思います。もしかしたらそれが「新しさ」につながるかもしれません。

 ちょっと抽象的なお話になってしまいましたね。あなたの好きなまんがをもう一度読み返してみて、「このまんがのテーマは何なのか」について考えてみてください。おもしろいまんがにはそこに明確な「テーマ」が感じられるはずですから…

 次回は「キャッチ」、「エピソード」についてご紹介しましょう。お楽しみに!(2月19日(月)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
[実践:めざせ!受賞編第1回]
ストーリーはどうやって作るのか?(1)
 この『まんが家養成講座』も初級編のスタートから半年が経ちました。今回から『まんが家養成講座』はちょっとステップアップします。題して「めざせ!受賞編」。新人コミック大賞で受賞するための作品創りをより具体的に紹介していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします!
 さて第1回は、ストーリー作りに欠かせない4つの要素についてです。面白いストーリーはどうやって作るのか? 基礎のところからお話しして行きましょう。なお、特に断りがない限り、32ページ前後の読み切りまんがを作るためのストーリー作りに限定します。連載などの場合とは若干違う場合がありますので…

●面白いストーリーは4つの柱がしっかりしている

 あなたが、あるまんがを読んで面白いと感じたとします。いったい何が面白かったのでしょう?
「主人公がとても魅力的だった。私もこんな人になれたらなあと思った」
「読後感がすごく良かった。気持ちが晴れ晴れした」
「あっと驚く展開で、今まで見たことのない新鮮なまんがだった」などなど…
 面白いと思う理由はさまざまだと思いますが、必ず共通する要因があります。それは、
『テーマ』
『キャッチ』
『キャラクター』
『エピソード』
の4つがしっかりとしていて、しかもそれぞれが魅力的であることです。
ではそれぞれについて紹介しましょう。

●『テーマ』…このまんがで何を伝えたいのか?

まんがの核や幹であり、骨格のようなものです。その作品全体に流れている音色といってもいいかもしれません。あなたがまんがに込めたい想いやメッセージもこれにあたります。
 たとえば、『友情』とか『大人への階段・成長』とか『恐怖』、『癒し』、『痛快』…といった簡潔な言葉で表現されます。テーマ自体は新しい概念や考えである必要はなく、人間の感情に根ざした普遍的なものであることが多いようです。また複数のテーマが共存してもOKです。ただし、一度決めたテーマはぶれてはなりません。太い幹のようにしっかりしていることが大切です。最初は『熱い友情』だったが、最後は『恐怖・ホラー』になってしまった…なんてことのないように。
 テーマがしっかりしていると、読後感が違います。

●『キャッチ』…このまんがのウリは何か?

 このまんがは他のまんがと、ここが違う、ここがすごいんだ!とアピールするものです。広告などで、その商品の魅力を伝える短い文章(キャッチコピー)と同じです。テーマと混同されがちですが、テーマが古典的・普遍的であってもよいのに対し、キャッチは明確に「新鮮さ」、「オリジナリティー」、「他との差別化」が要求されます。
 たとえば、『1ページで必ず2度笑う!新感覚ぬいぐるみギャグ!』とか『子供なのに先生?学園下克上ラブコメディー』など(例がいいかどうかは別ですが…)、これは面白そうだ! と興味をもってもらえる内容を明確にしたものです。
 むろん奇抜だからいいというわけではありませんし、ここであまり高いハードルを作ると、結局表現できずに中途半端なまんがになってしまうことも多いので注意。

●『キャラクター』…登場人物は魅力的か?

 いうまでもなく、そのまんがの魅力を左右するのがキャラクター(登場人物)です。どんな姿形なのか?性格は?趣味は?口癖は?好きな物は?苦手な物は?生い立ちは?…などビジュアルをイメージしながら具体的に設定します。プロの作家さんのアイデアノートには、思い通りのキャラクターにたどりつくまでラフスケッチを何十枚、ときには何百枚も描いた苦闘の跡が見られます。それだけキャラクター作りには悩むわけです。もちろん主人公やヒロインだけでなく、脇役などのサブキャラまでイメージします。
 基本的にはテーマやキャッチを考えてから設定しますが、関係なく普段から「こんなキャラがいたらいい」とか「いつかこんな主人公をまんがに登場させたい」キャラクターをノートなどに描きためておくと、メインキャラじゃなくサブキャラに使えそうなキャラを発見したり、重宝します。

●『エピソード』…何が起きるのか?何をするのか?

 文章でいう段落のようなものにあたります。たとえば「学校が突然、何者かに乗っ取られる」「主人公だけがトイレにいたために難をのがれる」「主人公の学校奪回作戦が始まる」…etc ストーリーはこれらエピソードの流れと積み重ねで成り立ちます。主人公がどんな子なのか? かっこいいのか? 楽しいやつなのか? これもエピソードをどう表現するかにかかっています。キャラクターの魅力を引き出すのもエピソード次第なのです。
 32ページの読み切りまんがでは、そんなにたくさんのエピソードは入りませんので、重要度や面白さによって、ページをとるものとさらっと数コマでながすもの、そしてばっさりカットするものなどの重みづけをするのが普通です。

 これら4つの柱がストーリーを構成しています。どの柱が重要ということではなく、どれもが大切であり、またそれぞれが影響を及ぼし合う関係です。いくらキャラクターを魅力的に設定したとしても、それを生かすエピソードが作れないと、読者に伝わりません。またキャラクターはテーマにその行動原理が縛られますし、キャッチをうまく表現できないと、キャラクターもエピソードも死んでしまいます。
 ストーリーを考える場合は、まずこの4つが明確か?面白いか?を吟味してください。これがしっかりしていれば、面白いまんがとしての土台は万全です。

 次回は、それぞれの柱について、より具体的な発想の仕方を考えてみたいと思います。お楽しみに!(2月13日(火)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
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