
絵コンテを見ながら、まんが原稿用紙にペン入れのガイドとなる線を鉛筆で入れてゆく、それが『下描き』です。下描きの鉄則は「ペン入れの時は助けになり、ペン入れが終わったら、跡形もなく消える」ことです。またこれ以降、絵の大幅な変更もできませんから、ペン入れ前の最終チェックとしても大切な作業です。なお下描きの基本についてはバックナンバーの初級編第2回『1ページのまんがが描き上がるまで』もあわせてご覧ください。
●下描きはどこまで描けばいいのか?
みなさんからよく聞かれる質問です。実はプロの作家さんでも千差万別で、背景も含め、かなり細かく鉛筆を入れる人もいれば、絵コンテと同じくらいの絵しか描かない人もいます。ただまんがを描き始めたばかりの人でしたら、人物を中心になるべく細かく描いてあげた方がペン入れの失敗は減ると思います。前回の絵コンテを下描きした場合のサンプルを紹介します。このくらい線が入っているとペン入れもスムーズに行くと思います。
●下描きでは消しゴムは使わない
ペン入れがしやすいように、なるべくきちんと描こうとするのはわかりますが、消しゴムで線を消しては描き、消しては描きはやめたほうがいいでしょう。原稿用紙に何度も消しゴムをかけると、紙の表面が荒れたり、けば立ってしまい、次のペン入れの時にインクがにじむことがあります。失敗した線はそのままにして、新たに線を描き足すようにしてください。消しゴムはペン入れが終わってからまとめて入れます。
●消しゴムで消えやすい線を描く
「ペン入れが終わったら、跡形もなく消える」ためには、硬く線の鋭い鉛筆は使わず、HB~2Bくらいの柔らかめの鉛筆で、薄く描いたほうがいいでしょう。下のイラストをみてください。左は適正な例ですが、右のように、太くゴチャゴチャと線が入ると消しゴムをかけるときに苦労します。なにより、これではどこにペンを入れていいのかわかりませんね。
また鉛筆の線は、手についた汗でも簡単にかすれ、原稿用紙にしみてしまいます。特に太く濃い線の場合は、下の右イラストのようになってしまいます。こうなると消しゴムでも完全には消えません。これを防ぐために、手と原稿用紙の間にティッシュなどをはさんで描いてください。
●下描きが終わったら全ページ通して見直してみる
全ページ下描きが終わったら、通して読んで、もう一度作品全体を見直してみましょう。絵や構図などにおかしなコマはないでしょうか? たとえばヘアバンドをしているはずのヒロインが、あるコマだけしていなかったり、学生服が突然私服になったり、意外とミスが見つかるものです。後々の修正の手間を減らすためにも、しっかりチェックしましょう。
次回からは『ペン入れ』についてお話しします。ペン入れのコツやペンの効果的な使い方などをご紹介する予定です。お楽しみに!(8月20日(月)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
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[初級編第7回]
いろいろな大きさやポーズで人物を描いてみよう!(2)
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自然で動きのあるポーズを描くのに避けて通れないのが、『骨格』です。「えっ、骨まで考えないといけないの? 面倒くさい…」と思うかもしれませんが、かっこよく、迫力のある絵でアピールしたいなら、ぜひこの描き方をおぼえましょう。
●リアルに描くなら、骨格を考えよう
人間の骨格は骨と関節の組み合わせでできています。走る・立つ・座る…どんな動作をするにもこの骨と関節の位置で決まるのです。まんがを描くときもこれをきちんと把握していないと、とても不自然な動きになってしまいます。
1)座ったポーズ
下のイラストはイスに座り、机に向かったときのポーズを描いたものです。骨を線で、関節を丸で表現しています。はじめに骨格部分を描き入れ、それに肉づけしていきます。さらにその上に髪や服などを描き込みます。面倒な手順のように思えますが、こうして描き上げると、とてもリアルなポーズになります。
2)走っているポーズ
もう1点は走っているポーズです。立つ、座るといった静止しているポーズに比べ、むずかしいのですが、これもきちんと骨格を考えて描けば、リアルで動きのある絵になるのです。
慣れれば、いちいち骨格の基準線を入れなくても描けるのですが、最初はきちんと基準線を入れることをオススメします。人物の写真集やスポーツ雑誌の写真の上にトレッシングペーパーなどをかぶせて、骨格の基準線を描いてみるのもいい練習方法です。実際の骨や関節の位置関係がどうなっているのか、よくわかります。
また『描いた絵がなんか不自然だな…』と感じた時は、絵の上から、骨格となる基準線を引いてみてください。関節の位置が変だったり、骨が妙に長かったり…と、どこがおかしいのか、気づきやすくなります。
前回でも描きましたが、こういったデッサン力は描いて練習しないと身につきません。一見地味な練習ですが、ぜひがんばってください。デッサン力がつけば、かっこいいアクションやスポーツまんがでも、自在に表現できるようになるのですから…
次回は、コマの割り方についてお話しします。どうすれば読みやすく、効果的なコマ割りができるのか?についてです。お楽しみに!(9月4日(月)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
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[初級編第6回]
いろいろな大きさやポーズで人物を描いてみよう!(1)
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今回から2回に分けて、人物を描くときのバリエーションを紹介してみたいと思います。いかに自然に全身の絵を描くか、動きのあるダイナミックな絵を描くか、これはまんがの表現の幅を広げるために避けて通れない道です。
●顔・全身をバランスよく描くために
人物などの物体をきちんと描くためには、美術用語でいう『デッサン』力を磨く必要があります。学校の美術の授業で、石膏像や友人の顔を描いたことはありませんか? あれがデッサンです。デッサンの基本は、その人物の特徴やプロポーションを的確にとらえることです。
1)自然な顔を描くポイントは「等間隔」
例えば人物の顔。イラストを見てください。額の上、目、鼻、あごが、だいたい等間隔にならんでいます。この比率で描くと自然な顔になります。もちろん、まんがではあえてこの比率をくずして、ユニークな顔にしたりすることもあります。
2)全身のバランス「頭身」を大切に
次のイラストは全身のバランスです。頭身とよばれますが、全身と頭の比率を表すものです。
大人でしたら約7頭身
少年なら約6頭身
子供なら約4頭身
といったところでしょうか。
リアルな人物を描きたいのなら、この頭身をくずさないようにします。
また、女性の場合は全身のプロポーションの比率にも気を配りましょう。イラストのように頭身とは別に、関節位置による比率も考慮します。バストの上、股間、膝で4等分すると自然なプロポーションになるでしょう。
基本はこのようになりますが、この頭身などの比率は絶対のものではありません。極端に頭身の大きい(頭の小さい)キャラクターや3頭身の大人キャラだってありです。まんがなのですから。ただ、このデッサン力をきちんと身につけた上で、あえて崩して描いてある絵と、デッサン力がなく、ただバランスが崩れている絵は根本的に違います。デッサン力をぜひ養ってください。
デッサン力を上げるには、これはもう練習するしかありません。写真などを見ながらでもいいので、人物の顔や全身をスケッチしましょう。そのときに頭身など比率の基準線を描いてあげると、実際にどんな比率で体が構成されているか、把握しやすいと思います。
次回は、今回の続きのお話をします。動きのある人物の絵を描くコツについてです。お楽しみに!(8月21日(月)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
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[初級編第5回]
1コマ、人物の絵を描いてみよう!
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