[パソコン作画編第9回]
トーンを貼る(2)
 トーンワークの続きです。前回はトーンの貼り方の基本を紹介しましたが、今回は応用編です。紙とペンのアナログ作画と同じように、パソコンでもトーンを削ったり、重ねたりして、様々な効果を出すことができます。なお今回も使用ソフトはComic Studioを使います。

●トーンを削る

 トーンを削る場合は、貼ったトーンの上から、消しゴムツールやブラシツールで、トーンを消していくことになります。どのツールを使うかで、効果は変わります。  下は消しゴムでトーンを消した時の画像です。トーンレイヤー上で消しゴムで消したり、ペンツールなどで描き足したりもできます。
 こちらはトーン削り専用のブラシツールで削った画像です。カッターで削ったような削り効果ができます。
 実際の原稿で効果をみてみましょう。女の子の髪の毛のトーンを削って、ハイライトを入れてみました。髪に立体感がでますね。

●トーンを重ねる

 今度はトーンを重ね合わせてみましょう。基本はアナログ作画と同様に複数枚のトーンを重ね貼りすればいいのですが、ただそのまま貼ると下のようなことになります。
35L20%のトーンの上に、同じ線数(35L)の10%のトーンを重ねてみました。キッチリと重なってしまい、これでは重なっているように見えません。そこで10%のトーンを移動してやります。重なったところが濃くなりましたね。
さらに重なったトーンを回転させてモアレの効果を出すこともできます。
 実際の原稿の事例です。女の子の髪の毛の影になっている部分(緑色のところです)に重ね貼りして、暗くします。なお全体に55L20%のトーンが貼られています。
 ここに影の部分のみ10%のトーンを貼ります。下の絵は貼った後のものですが、ぴったり重なっているため、濃くなりません。
 そこで、先ほどと同じように10%のトーンを少しずらします。これで濃くなります。
 なお、トーンを移動や回転させるときは、まずプレビューでの作業で確認したほうがいいでしょう。トーンがどのように見えるか、シミュレーションができますので。

●グラデーションをかける

 濃淡のついたグラデーションのトーンを貼り付けることもできます。下の絵、二人の後ろにある校舎の窓にグラデーションをかけてみましょう。貼りたい部分(窓の部分ですね)をまず領域選択します(緑色の部分です)。次に「素材」から使いたいグラデーショントーンを選び、プロパティのプレビューをチェックします。
プレビューの状態のまま、トーンを移動・回転し、貼り付けます。新しくできたグラデーショントーンのプロパティを開くと、移動・回転や線数変更・長さや濃度変更など微調整が可能です。
さらに、トーンを削ったりして、ガラスっぽい硬質感をつけてみました。完成です。
 いかがですか? 様々な表現が簡単にできてしまいます。ある作家さんは、パソコン作画を導入して、作画が早くなったのは良かったのですが、いろんなことができるので逆に作画に凝ってしまい、原稿の上がる時間は変わらなかったとか…

 さて次回は、フィルターを使った様々な特殊効果について紹介します。背景をぼかしたり、うねりをつけたり、パソコン作画ならではの手法です。お楽しみに!(6月16日(月)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
[パソコン作画編第5回]
レイヤーって何?
 ちょっと番外編っぽくなりますが、今回は『レイヤー』のお話です。レイヤーはパソコンでまんが作画するときに、とても大切な概念であり、機能です。これをきちんと理解することで、背景と人物を自在に重ね合わせたり、一部のトーンだけ簡単に修正したりすることができます。

●レイヤーはアニメのセル画みたいなもの

 右の絵を見てください。この絵は様々なパーツの組み合わせで1枚の絵になっています。フキダシだけの絵、描き文字だけの絵、背景…など全部で7枚の絵が合成されています。
具体的に見てみましょう。下のイラストは、ソフトのレイヤー機能のウィンドウと、それぞれのレイヤーに対応した7枚の絵の重なり具合をあらわしています(使用ソフトはPhotoshopです)。
 これがレイヤー機能です。イメージはアニメのセル画でしょうか。透明なセル画に人物などの絵を描き、背景画と重ね合わせると、人物が手前に見えます。さらにもう1枚、セル画に人物を描いて重ねることもできます。この1枚1枚のそれぞれのセル画がレイヤーです。コミックの場合は1つの絵がだいたい数枚ていどのレイヤーで構成されていますが、カラーイラストなどでは数十枚ものレイヤーを使うこともあります。

●レイヤーを使いこなせば作画は楽になる

 一見すごく面倒ですが、レイヤーを分けて絵を描くことには様々なメリットがあります。それは、
(1) 修正をしやすくする
(2) 重なり具合や位置を検討できる
(3) おもしろい効果を出すことができる

などです。
 例えば、上の絵を普通に原稿用紙にペンで描いたとしましょう。描き終わった後で、「もっとフキダシを小さくしたい」と思ったら、バックのプラットホームの屋根を描き足さなければなりません。「人物の位置をもっと線路寄りにしたい」なら、もっと大変です。
 こんな場合、フキダシや人物、背景などがそれぞれ別のレイヤーになっていれば、フキダシを大きくするだけでOKですし、人物だけの絵をずらすだけで大丈夫なのです。背景のレイヤーはイラストのように完全な一枚絵になっていますから、この上に重なっている人物のレイヤーだけを移動させれば完了です。簡単ですね。

 また、それぞれのレイヤーは重ねる順序や表示・非表示を変えることで見え方が違ってきます。ソフトのレイヤー機能で描き文字とフキダシのレイヤーを非表示にすれば、右のような絵になります。

 それぞれのレイヤーの画線以外をすべて透明にすれば、右の絵のような効果を出すこともできます。
 いかがでしょうか? 面倒に思うかもしれませんが、レイヤー機能はパソコン作画ならではの強力な機能です。パソコンで作画するプロの作家さんは、このレイヤー機能に習熟しています。というか、レイヤーを使いこなせないと仕事になりません。
 今回は、レイヤーの説明のために、細かくレイヤーを分けましたが、実際はもっと少ないレイヤー枚数で済ます作家さんもいます。とりあえず、いろいろ試してみて、まずはこのレイヤー機能に慣れてください。

 次回は、実際の作画に戻ります。取り込んだ原稿を仕上げていきますが、今回お話ししたレイヤーの具体的な使い方になります。お楽しみに!(4月7日(月)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)村川和宏
[パソコン作画編第3回]
まんが制作ソフト
 パソコン作画をする場合、Comic StudioやComicworksなどのまんが制作専用ソフトを使うか、PhotoshopやPainterのようなグラフィック系ソフトを使うことになります(両方のソフトを機能によって使い分ける作家さんもいます)。今回はこのうちまんが制作専用のソフトにしぼって機能や使い勝手を紹介したいと思います。

●セルシス「Comic Studio4.0(コミックスタジオ)」

 多くのプロ作家さんも使っているソフトで、現在バージョン4.0になっています。非常に多機能で、このソフトがあれば、絵コンテ(ネーム)から下描き、作画、印刷まですべてのまんが制作工程がパソコン上でできてしまいます。反面、すべての機能を使いこなすにはかなりのスキルが要求されます。
製品のラインナップは、
○入門版の「Comic Studio Debut(デビュー)」12,600円
○プロ仕様の「Comic Studio PRO」25,200円
○最上位版の「Comic Studio EX」48,300円

 Comic Studioはグレード毎の機能差が大きく、本格的に使うならPRO版以上が必要です。PRO版以上なら3,000種類以上のトーンが使えますし、EX版ならデジカメで撮影した写真を背景用に加工してくれる「2DLT機能」などが使えます。

●デリーター「Comicworks Ver.2(コミックワークス)」

 Comic Studioほど多機能ではありませんが、必要な機能にしぼってシンプルな操作ができるように考えられたソフトです。スキャナーから取り込んだまんが原稿を仕上げるのに特化しているといってもいいでしょう。入門版でもPhotoshopのPSD形式のファイル入出力ができるので、いくつかのソフトと連携しながら使うのにもいいと思います。
製品のラインナップは、
○入門版の「Comicworks Ver.2」8,925円
○上位版の「Comicworks Ver.2 MAX」19,740円

 上位版との違いは収録トーンの数と解像度(入門版は200種類、MAXは800種類・1200dpi対応)だけなので、入門版でも十分だと思います。

●両ソフト入門版の機能比較

 2つのソフトの入門版(「Comic Studio Debut」と「Comicworks Ver.2」)でできることをまとめてみました。まんが制作に最低限必要な機能をピックアップしています。なお操作感は、両ソフトを数年前のパソコン(Celeron 2.3GHz メモリー1GB Windows XP Home)にインストールして使ってみたもので、あくまで主観です。
  Comic Studio Debut 4.0 Comicworks Ver.2  
ペン機能


丸ペン・カブラ・G・スクール・筆などペン先の選択が可能。入り・抜きもつけられる。
手ぶれ補正あり。


基本的にはペン先の種類はなし。鉛筆かペンか筆といった感じ。
手ぶれ補正あり。
 
消しゴム機能  
ブラシ機能
種類が豊富。エアブラシ・マジック・鉛筆はもちろん様々なパターンブラシ(カケアミなど)あり。

エアブラシ・鉛筆・ペン…とシンプル。
 
ライン機能 ともに直線・曲線・折れ線などが引ける。線の入り抜きも調整可能。
集中線機能
線幅や間隔など細かく設定可能。曲線にすることもできる。

線幅等設定可能。ウニフラッシュの集中線フィルタがあり、好みのウニフラッシュが手軽に作れる
 
レイヤー機能
上位版にあるベクターレイヤー(解像度に依存しないレイヤーで拡大縮小等しても線が崩れない)機能はない
 
範囲選択機能 選択方法は双方ほぼ同じ。
読み込みファイル形式 BMP・JPEGのみ読み込み可。PSDの読み込みができないのがネック BMP・JPEG・PNG・PSDの読み込み可能。 業界で多用されるPSD形式に読み込み書き出しともに対応できている点でComicworksがよい。
書き出しファイル形式 BMP・JPEG・PSD BMP・JPEG・PNG・PSD  
スクリーントーン ともに上位版と比べ種類が少ない。
ペンタブレットでの線の入り・抜き ともに筆圧での強弱表現が可能。
スキャナーからの画像取り込み
しかし高解像度(1200dpi)などで取り込んでも上位版のMAXでないと高解像度のトーンが入っていない。
 
600dpiでの描画 ともに問題なし。
セリフの書き込み
文字入力だけでなくあらかじめ登録されたフキダシパターンが利用できる。
 
操作感 上位版と比べ相当な機能制限があるが、それでも多機能と感じる。
細かくツールの設定ができるし、パレットなども使いやすい。
4.0は初心者向けのビギナーズアシスタントというインターフェイスもある。ソフトの動作は少々重い。
ブラシツールの少なさや、画像の拡大・縮小やブラシのサイズ変更が少々面倒など…気になる点もあるが、定規ツールでは定規のシルエットが画面に出てくるなど、とっつきやすく作られている。
ソフトの動作自体も軽い。
 
※表の中の○はその機能があることを示しています。

 両方のソフトとも、まんが作画に必要な機能は十分満たしています。もちろん操作感はそれぞれ違いますが、このあたりは慣れの部分が大きいので、好みで選んでいいと思います。

 次回からは、これらのソフトを使って、具体的にまんが制作をしてみます。お楽しみに!(3月3日(月)更新予定)
[パソコン作画編第2回]
パソコン作画に必要なもの
 前回もお話ししましたが、パソコン作画するためには、いろいろと機材を揃えなければなりません。本格的にパソコン作画するとなると、相当の出費になります。「高額な投資をしたけど結局使いこなせなかった」なんてことになるかもしれませんから、最初は低価格なものを使ってみて、「これなら使えそうだ」となってから、導入するのがいいでしょう。
 このまんが家養成講座でも、なるべく高価な機材を使わずに作画する方法を紹介していきます。では最低限どんな機材が必要になるのでしょうか。

●必要なもの1:パソコン本体

 まずはこれがあることが前提です。機種ですがWindowsXP,Vistaが動作するパソコンです。Windows98やWindows Meなどの古いパソコンの場合、まんが制作ソフトが動かない場合があります。なおMacでも描けないことはありませんが、このまんが家養成講座では対象外です。

 家族みんなで使っているパソコンでも、あなた個人で使っているものでもかまいません。ノートブック型でも大丈夫ですが、できれば写真のようにモニター、本体、キーボードなどが分離したデスクトップ型のほうが使いやすいでしょう。またパソコンによって快適性はずいぶんと変わります。当然最新型がいいのですが、使い勝手を体験するだけなら、5~6年前のパソコンでも使えるようです。

●必要なもの2:ペンタブレット

 まんが作画ならではの機器です。板のような本体に専用のペンで、絵を描くような感じで使用します。ここに描いた絵がパソコンの画面上に反映されます。筆圧なども検知してくれますから、線にタッチをつけたりすることも可能です。

 写真で紹介したのは、ワコムの『BAMBOO(バンブー)』という製品です。A6サイズと小さいのですが、低価格(約1万円)です。まんが制作用の体験版ソフトが同梱された『BAMBOO COMIC』も販売されています。

●必要なもの3:まんが制作ソフト

 上で紹介した『BAMBOO COMIC』には、『Comic Studio MINI』や『Comicworks体験版』などのまんが制作ソフトが付属していますから、あえてソフトを購入しないくてもいいでしょう。ただしこういった付属のソフトは製品版と比べ、機能が制限されていることが多く、データ保存に制約があったり、使えるトーンが少なかったりします。体験ということなら、これでも十分ですが、できれば専用のソフトの入門版を購入することをおすすめします。付属版に比べ、機能制限が少なく、上位版への移行も容易だからです。

 写真で紹介したのは、どちらもまんが制作専用の入門用ソフトウェアです。
『Comic Studio Debut』はセルシスの製品で、プロのまんが家さんも多く使っている『Comic Studio』シリーズの入門版です。価格は約1万円。
『Comicworks』はトーンやまんが用品で有名なデリーターの製品です。200種もの豊富なトーンが使えます。価格は約8000円。
 まんが専用ではありませんが、アドビの『photoshop』を使用しているまんが家さんもたくさんいます。低価格版の『Photoshop Elements』ならば1万円~1万5千円で購入できます。

●必要なもの4:スキャナー

 どの段階からパソコン作画をするかによって、この機器が必要になるかどうかが決まります。絵コンテや下描きの段階からパソコンを使ってまんがを描くのなら、なくても大丈夫です。しかし、このまんが家養成講座ではプロの作家さんの主流である「仕上げの段階でパソコンを使う」ことをメインに紹介していきます。まずは普通に原稿用紙にインクとペンで描いて、トーンやベタ塗り、修正などをパソコンで行う方法です。そのためには線画を描いた原稿をパソコンに取り込む作業が必要になります。このときに使うのがスキャナーです。コピー機のように、上面の画像読みとり面に原稿をおいて使います。

 写真はある作家さんが愛用しているスキャナーです。MUSTEK(マステック)という会社のUSB接続A3版フラットベットスキャナーで、ネットで探して購入されたそうです(3~4万円)。B4版の原稿用紙をスキャンするには、こういったA3版対応の大型スキャナーが必要なのですが、製品数がとても少なく、国内メーカーなどではエプソンのESシリーズなどがありますが、いずれも10万円を越える価格です。
 A3版のスキャナーは高価ですが、みなさんの家に、プリンターとスキャナーが一体になった複合機はありませんか? A4版のスキャナーや複合機なら、製品数も多く、低価格です。B4の原稿を一発で取り込むことはできませんが、分割してスキャンすることで、このような製品でも代用できます(方法は次回以降に紹介します)。

●必要なもの5:プリンター

 まんがを描くだけなら必要ありませんが、作品を新コミに応募したり、紙にどう印刷されるかの確認用に必要です。応募原稿サイズのB4で印刷できるレーザープリンターやインクジェットプリンターがあるとベストですが、こちらも高価ですから、確認用であれば、A4サイズの印刷ができる複合機やインクジェットプリンターでかまいません。(現在の小学館新人コミック大賞の応募規定では、手描きもパソコン作画もB4の原稿サイズで応募することになっています。B4へのプリント出力に関しては、後日対応方法を紹介します)

※なお、ここで紹介した製品の価格はあくまで目安です。実際の購入価格はネットなどで検索してください。

 次回はパソコン作画用のソフト(Comic Studio DebutやPhotoshop Elementsなど)について、使い勝手などを紹介してみたいと思います。お楽しみに!(2月18日(月)更新予定)
[パソコン作画編第1回]
パソコンでできること
 初級編、実践編と続けてきた『まんが家養成講座』ですが、今回からまんが作画でトレンドの「パソコンを使った作画」について紹介していきたいと思います。最近はプロの作家さんだけでなく、新人コミック大賞の応募でもパソコン作画作品がみられるようになってきました。ただパソコン作画はこれまでに解説した方法とはまったく違うテクニックが必要になってきます。勝手が違うので戸惑うことも多いのですが、使いこなせれば、とても便利なツール(道具)になります。
 ただしあくまで道具ですから、これだけで絵が上手くなるわけではありません。また本格的に使うためには相当のお金がかかります。それでもこういう作画の方法があるということは知っておいて損になることはありません。

●パソコンでまんがを描くってどういうこと?

 右の写真を見てください。これはあるプロ作家の方のパソコン作画環境です。キーボードの向こう側にあるのは、ペンタブレットというものですが、これに専用のペンで絵を描いていくことになります。描いた絵はその奥にあるモニターに映し出されます。

 パソコンをお持ちでしたら、グラフィックソフトを使って簡単なお絵描きなどをしたことがあると思いますが、基本はその延長です。また作家さんによってパソコン作画の程度はまちまちで、
[1]絵コンテから仕上げまで、すべてパソコンで描く
[2]線画までは原稿用紙とペンで描き、以降の仕上げをパソコンで行う
[3]ベタ・トーン処理のみパソコンで行った後、原稿用紙に出力して、手描きで修正をする
など様々なスタイルがあります。
 主流は[2]で、アシスタントさんが担当する作業をパソコンで省力化しようという目的で使っている作家さんが多いようですね。

●パソコン作画の便利なところと不便なところ

 パソコンで作画するメリットは何でしょう。一例をあげてみましょう。

 左の線画イラストにベタを塗ったり、トーンを貼ったりしたい場合、従来でしたら、筆でスミを塗ったり、トーンをカッターで切り抜いて貼ることになります。これがパソコンの場合、簡単な操作で一瞬で完了します。

 しかもはみ出しを気にしたり、失敗することはありません。また、「やっぱり髪の毛はトーンの方がよかったかな、服も別の柄で…」などのときも、手順を戻してやり直しできます。

 実際の見え方のシミュレーションが簡単にできるわけです。気に入らなければ何度でもやり直しができます。
 ここで紹介したのはほんの一例ですが、パソコン作画のメリットをまとめてみましょう。
○失敗してもやり直しが簡単
○トーン貼りやベタ塗りが一発でできる
○修正が楽にできる
○人物配置や描き文字・フキダシ位置などの検討もできる
○トーン代などがかからない
○ワク線などの均一な線が簡単に引ける


などでしょうか。もちろんデメリットもあります。

×機材を揃えるのにお金がかかる
×操作を覚えるのに時間がかかる
×仕上げなどはきれいにできるが、絵がうまくなるわけではない
×パソコンが壊れたり、などのトラブルに弱い
×絵にアナログ感がなくなり、単調になりやすい


 このメリットとデメリットをあなた自身で判断し、パソコン作画をするかどうか決めてください。お試し用のソフトウェアなども販売されているようですから、まずはそれを使ってみて、気に入ればパソコン作画環境を整えるというのがいいと思います。
 なおパソコン作画した作品だから、新人コミック大賞の審査で有利になったり、不利になったりすることはありません。

 次回はパソコン作画に必要なソフトウェアや機材について紹介したいと思います。お楽しみに!(2月4日(月)更新予定)
[実践:めざせ!受賞編第23回]
仕上げ(6)
 トーンワークの続きです。トーンは重ねて貼ることで、さらに濃い影を表現したり、ユ ニークな効果をだしたりすることができます。今回はこの「トーンの重ね貼り」についてご紹介しましょう。

●トーンを重ねるとどうなるか

 よく使う61番のアミ点トーンを重ねてみます。まったく同じ角度で重ねると、重なったところが少し濃くなりますが、トーンを回転させて重ねてみると、下のイラストのように不思議な模様になります。アミ点トーンならではの「モアレ(干渉縞)」と呼ばれる現象です。重ねる角度によって様々な模様になりますので、手持ちのトーンを使って試してみてください。
 このモアレ、見ている分には面白いのですが、モアレに絶対なってほしくない場合もあります。薄暗いシーンにもう1段濃い影を入れたり、日に焼けた肌にさらに影をつけたい場合などです。
 角度を変えなければ大丈夫、なはずなのですが、きちんと角度を合わせてもモアレになってしまうことがあります。番号の異なるトーンを重ねる場合などです。
 アミ点のトーンは61番とか83番などの番号で呼ばれます。この番号はどんな意味があるのでしょうか? 購入したトーンの隅のほうに、例えば61番のトーンでしたら「60L10%」などと表記されていることがあります。これは次のような意味なのです。
 つまり61番のトーンは「60Lの密度の10%の濃さを持った」トーンというわけです。同様に83番ならば「80Lの密度の30%の濃さを持った」トーンです。
 実はこのLの線数がモアレに大きく関係します。結論から言うと、

 同じL(線数)のトーンならモアレは出ない
 違うLのトーンはモアレが出る


 となります。
 下のサンプルは62番(60L20%)を貼ったカットに、さらに61番(60L10%)を重ね貼りしたものです。
 角度を変えずきちんと貼れば、モアレはでません。なお注意点として、同じLのトーンでも、最初のサンプルのように角度をつけてしまうとモアレが出ること、またトーンのメーカーが異なると、同じLのトーンでもモアレがでることがあります。重ね貼りをするなら、同一メーカーのものにした方がいいようです。

●重ね貼りでグラデーションも表現できる

 右のイラストは、トーンの下側を削りながら、何層か重ね貼りして表現したものです。濃→淡のグラデーション表現です。グラデーション専用のトーンも販売されていますが、シーンに合わせたオリジナルの表現にしたいときなどは重宝します。なおトーンの削りについては、初級編第14回の「トーンを使おう(2)」にくわしく紹介しましたので、参考にしてください。

 さて、『まんが家養成講座 実践:めざせ!受賞編』は今回でいったん終了です。ちょっと時間をいただいて、次回からは問い合わせの多い、「パソコンを使った作画」についてご紹介していきたいと思います。お楽しみに!(2008年1月21日(月)更新予定)

サンプルまんが作成 (C)十神 真
[実践:めざせ!受賞編第22回]
仕上げ(5)
 今回からは仕上げの最終段階・トーンワークについてご紹介します。トーンに頼りすぎるのはどうかと思いますが、適切にトーンを使いこなせば、絵に立体感がでますし、リアルな表現も可能です。特に60番台のアミ点トーンは使用することが多いと思いますので、トーンワークの技術はぜひ身につけたいところです。

●トーンワークの流れ

 初級編の『トーンを使おう』でも紹介しましたが、トーンワークの基本的な手順についておさらいしましょう。なおサンプルイラストはアミ点トーンを使っていますが、やり方自体は他の種類のトーンとまったく同じです。

 イラストの髪の部分にトーンを貼ってみます。

 トーンをあてがって、爪の腹などで仮固定し、貼りたい部分から一回り大きく切り出します。この後の細かい切り出し作業を楽にするためです。なお、もし貼る部分が単純な形状ならば、この段階できちんと切り出して貼った方がいいでしょう。

 トーンを貼りたいところにトーンを仮固定します。ヘラやペン軸の反対側の丸い先端で軽くこすってトーンがずれないようにします。あとできちんと固定しますからこの段階では力を入れてこする必要はありません。

 下の輪郭線にそってトーンを切り出していきます。切り出しは通常のカッターナイフで十分です。細かい作業がうまくできないようなら、より繊細な作業に適したデザインナイフもあります。またカッターは切れ味が命です。トーンに引っかかるようになってきたら、すぐに刃を替えましょう。

 額にかかる髪の毛先など複雑な部分は輪郭線にそって切るより、不要部分のトーンをカッターで削ってから切り出したほうが簡単です。またこのサンプルイラストのような毛先の細かなところは、はがれたり、原稿を重ねる過程で破損したりしやすい箇所です。思わぬ事故を防ぐためにも削りで処理した方が安心だと思います。

 切り出しが終わったら不要部分をはがし、トーンを完全に固定させます。このときかなり力を入れてこすることになりますので、トーン保護のため、トーンに付属する台紙をあててこすります。

 完成です。
 貼る部分が多いとトーンワークはけっこう大変な作業です。またトーン自体高価なので多用するよりも、影や自然物・気象・気候表現などに絞って、アミ点トーンを使うことをおすすめします。

 次回もトーンワークの続きです。トーンの重ね貼りや一歩進んだ表現などのテクニックについてご紹介します。お楽しみに!(12月17日(月)更新予定)

サンプルまんが作成 (C)十神 真
[実践:めざせ!受賞編第21回]
仕上げ(4)
 今回は、修正液(ホワイト)を使った効果と1コマ全部を描き直すときのテクニックについて紹介します。どちらも必須のテクニックというわけではありませんが、知っておくと便利です。

●修正液で効果をだそう!

 単調な黒ベタの絵に表情を加える場合にも修正液は重宝します。たとえば髪の毛を艶やかに見せる場合、筆ペンなどで白を残しながら塗っていくのが基本ですが、まずはベタで塗りつぶしてから、修正液をつけたペンや筆で白く描いても表現できます。
 ハイライトのような効果を出すこともできます。イラストでは瞳のハイライトを修正液で表現しました。なお、けっこう細かい作業になりますので、面相筆を使うようにしてください。普通の丸筆などに比べると高価ですが(1,000円くらいから)、1本あると髪の毛の細かいベタ塗りなどにも使えます。
 また特殊な効果の例ですが、全面黒ベタのコマに修正液をペンにつけて描くこともできます。心理描写の表現などに使うことがあります。
 もうひとつ。これは効果ではありませんが、描き文字を読みやすくするために、修正液で白くフチどることはよくありますね。

●1コマそっくり差し替えるには?

 簡単な修正なら今まで紹介した方法でリカバリーできますが、描き上がってから、このコマだけ描き直したいという場合もあります。その場合は切り貼りという技を使います。あるコマ全体をそっくり白紙にするのです。下にやり方を紹介しましょう。
 カッターの切れ目が目立つ場合は、修正液を多めに盛れば目立たなくなります。なお描き直したいコマの上から新しい紙を貼り付ける方法もありますが、そのコマだけ厚くなって、原稿を重ねる場合にひっかかったりしますので、あまりおすすめしません。

 次回からはトーンワークです。トーンの使い方や効果について、具体的にご紹介しましょう。お楽しみに!(12月3日(月)更新予定)

サンプルまんが作成 (C)十神 真
[実践:めざせ!受賞編第20回]
仕上げ(3)
 今回は、線のはみ出しや失敗を修正するテクニックについてお話しします。どんなプロ作家さんも修正なしにまんが原稿を仕上げるのは不可能です。修正の段階では修正液(ホワイト)を使いますが、雑誌に掲載されたまんががきれいに見えるのも、この修正の技術、修正液の使い方が上手だからなのです。

●大切なのは修正液選び

修正液  修正をきれいに仕上げるコツは、まずどの修正液(ホワイト)を選ぶかにあります。右に一般的な修正液を挙げておきます。左は水で薄めて、筆で塗るタイプ。乾くと耐水性になります。右は油性の速乾タイプで、ふたについている刷毛で塗るものです。他にも製品はありますが、大事なことはあなたの使っている黒インクをきれいに消せるか、ということです。


 実は黒インクと修正液には相性があります。描いた線の上から修正液を塗ると、イラストのように下の線からインクが浮き出てきたり、溶け出してにじんだりすることがあるのです。最近はこの相性問題は減っているようですが、こればかりは実際に試してみるしかありません。しっかりと乾かしたペン画線の上に使いたい修正液を塗って様子をみます。
 もし、下の線がきれいに消えたまま修正液が乾くならば、大丈夫です。にじんだりするようなら、修正液のメーカーを変えてみたり、水性から油性のものにしてみてください。なお修正液は、必ず黒インクをしっかり乾かしてから、塗ってください。生乾きのインクに修正液を塗ると、相性問題以前に必ずにじんでしまいます。

●厚塗りにならないように気をつけよう

 また、修正液を上手く使うには厚塗りをしないことが大切です。しっかり消すために何度も何度も塗り重ねてしまうことがよくありますが、消した後、さらにペンを入れる場合、ペンが厚塗りした修正液に引っかかって、ガリガリの線になってしまいます。
(右のイラストではわかりやすくするために、修正液を厚塗りしたところを薄い緑色にしてあります)

 修正液は使っているうちに水分や溶剤が飛んで、濃くドロッとしてきます。これも厚塗りの原因になります。水や専用の溶剤で薄めて、塗りやすく、下の線がきれいに消える濃度に調整してみてください。なお厚塗りしてしまった場合は、ペン先の鋭くないカブラペンを使うと引っかかりにくいので、右のイラストのようにスムーズに描けます。タッチは若干変わってしまいますが、小さな修正なら問題ありません。

●修正の手順はどうやるの?

 では具体的に修正の手順をみてみましょう。


 人物の顔を描いてみましたが、どうもほほからあごへの輪郭を大きく描いてしまったようです。これではバランスが悪いので、点線のように輪郭線を修正します。

 失敗線を修正液で消します。厚塗りにならないように気をつけます。

 修正液がしっかり乾いてから、上からペンで新たに輪郭線を描いて完了です。通常はこの手順で修正しますが、別のやり方もあります。修正液を塗る前に修正線を描いてしまう方法です。

 失敗線を気にせず、修正線を描き入れてしまいます。その後、失敗線のみ修正液で消すのです。修正液の上からペンで線を引くと描き味が変わってしまうので、この方法のほうがきれいな線が描ける、という作家さんもいます。ただし修正は新しく描いた線まで消えないように慎重にする必要があります。どちらがいいかは一概にはいえませんが、直す箇所が複雑で、線が込み入っているなら、先に修正液を。直しが単純なら、先に線を描き入れた方がいいかもしれません。
 次回は修正の続きになります。修正液で効果を出す方法や、コマをそっくり別の絵に差し替える荒技(?)などについて紹介します。お楽しみに!(11月19日(月)更新予定)

サンプルまんが作成 (C)十神 真
[実践:めざせ!受賞編第19回]
仕上げ(2)
 今回から仕上げの段階で役に立つテクニックを紹介していきましょう。まずは「ベタ塗り」です。

●失敗しないベタの塗り方

 ベタ塗りで難しいのは、髪の毛など込み入った部分を塗る場合です。まず使うのは筆ペン。筆ペンも細字~太字までいくつかの種類がありますが、なるべく細いものを使うほうがいいようです。
 サンプルで説明しましょう。髪の毛やセーラー服の襟の部分をベタで塗ります。筆ペンで毛先などや輪郭をふちどるように塗ります。特に毛先を塗るときは、筆が上から下にスッと入れられるように、毛先の先端が上になるように原稿を回して塗っていきます。
 なお筆ペンがうまく扱えないようなら、0.3mmのサインペンを使ってもいいでしょう。ただ筆ペンは後で紹介するような効果も出せるので、できれば習熟しておきたいところです。
 込み入った部分の輪郭が塗り終わったら、残りの部分を塗りつぶします。ここでは繊細な作業は必要ありませんから、一気に大面積を塗れるものがいいでしょう。太めのマーカーペンが重宝します。

●本当にそこはベタでいいのか、もう一度考えてみよう

 新コミ応募原稿でよくあるのが、大きなコマのバックをベタのみで塗りつぶしたり、人物のアップのコマで髪の毛をベタで塗りつぶしたりしている例です。右のイラストを見てください。当たり前ですが、ベタを塗ると真っ黒になります。大面積をベタ塗りすると、重く、単調な表現になってしまうのです。

 こんな場合はベタに表情を与えてあげるといいでしょう。下のイラストは髪の毛をベタだけでなく、筆ペンを使って白地を残すように塗り、流れるように表現したものです。艶やかで立体感のある髪の毛に見えますね。またカケアミを使って、白地→カケアミ薄→カケアミ濃→ベタのグラデーションにするほうがいいこともあります。暗闇でランプが灯っているシーンなどには効果的です。
 ベタを塗る面積が小さければ、あまり気にする必要はありませんが、大きくベタ塗りする場合は、「本当にそこはベタだけでいいのか、他の表現やプラスアルファの表現をしたほうがいいのではないか」を考えてみてください。

 次回は修正です。線のはみ出しや作画の失敗のリカバリーについて詳しく紹介したいと思います。お楽しみに!(11月5日(月)更新予定)

サンプルまんが作成 (C)十神 真
[実践:めざせ!受賞編第17回]
ペン入れ(3)
 今まで紹介しきれなかったペン入れ関係のエトセトラです。サインペンの使い方とペン入れ時の注意点などについて、お話ししましょう。

●サインペンは使えるか?

 Q&Aのコーナーによく寄せられる質問に「描きなれているサインペンでまんがを描きたい」というのがあります。確かにインクをつけて描く「つけペン」に比べれば、はるかに楽ですし、しっかりと乾かせば、かすれたりもしませんから手軽でしょう。しかしプロの作家さんはサインペンを使って主線などを描いたりはしません。理由は下のイラストを見てください。
 左のコマは前回ご紹介したサンプル原稿の1コマ目です。右は同じコマを0.3mmのサインペンで描いたものです。左のつけペンで描いたものと比べ、右のコマは校舎や体育館などの背景に立体感がなく、平板に見えてしまいます。均一な太さの線しか描けないので、線の強弱やタッチがつけづらいのです。筆圧を強くすればある程度の強弱は出せますが、すぐにペンがダメになってしまいます。

 では、サインペンはまったく使えないのでしょうか? 均一な線を引ける利点を活かして0.8mmのサインペンなどをワク線を引くのに使う作家さんはたくさんいます。また使いどころを考えれば、いろいろ活躍できそうです。上の例でも植え込みのところなどはサインペンでも違和感はありません。ほかにも例をあげてみましょう。

 太めのサインペンを使って、描き文字を描いた例です。このように均一な線で描いたほうがいい場合は積極的に使っていいと思います。





 このコマは演出効果の一つとして、わざと平板にバックの人間を描いた例です。「会社という組織の中に主人公も埋もれそうになる。自我を捨て、一つの歯車として無機的に生きる…」というような演出をしたいときなど、均一な線でわざと無機的な感じを出すのに使えます。

 またペン入れ時ではありませんが、仕上げのときにベタを塗りつぶすのに太いサインペンは重宝します。サインペンは主役にはなれませんが、いないと困る名脇役といったところでしょうか。

●原稿を汚さないために

 ペン入れの際、半乾きのインクをこすってしまったり、手の汗をつけてしまって、原稿を汚してしまうことがよくあります。汚れた箇所はあとで修正すればよいのですが、余計な手間をかけないためにも、汚さないに越したことはありません。プロの作家さんはどうしているのでしょう。  ペン入れするときはペンを持つ手の下に、ティッシュや紙をはさむのも一つの方法です。また指の部分を切ってペンを持ちやすくした薄手の手袋をする作家もいます。

 さらに慎重な作家さんは服の袖を気にして、事務用の黒い袖ガードを腕につけている方もいます。これは原稿が汚れることより、服の袖にインクのしみがつくのを避けているのでしょう。ただ作画中は手だけでなく腕が原稿に触れることも多いので、汚れてもいい長袖のシャツを着て作画することをおすすめします。

 もうひとつ。ペン入れの順番を工夫して、汚れにくくしている作家さんもいます。1枚の原稿を左上から右下へと描いていけば、作画済みの絵をこすったりはしにくくなります。下のイラストで(1)→(5)の順番にコマにペンを入れていくわけです。ただ、この方法は1コマごとにペンを取り替えながら作画しなくてはならないので効率的とはいえません。前回紹介したように主線→フキダシ→背景のように描くほうがいいと思います。
 原稿を汚さないポイントはインクをしっかりと乾かしてから次のペン入れに移ることです。もしインクの乾きが遅く、気になるようでしたら、ヘアドライヤーで強制乾燥してみてください。ただし温風をあてすぎると、原稿用紙がまるまってしまったりしますので、ほどほどに。

 あなたがプロのまんが家になったら「きれいな原稿を、早く描く」ことを求められます。限られた時間の中で相当枚数の原稿をこなすには、なるべく修正の手間を減らし、スピーディーに描き上げなくてはなりません。しかし新人コミック大賞に応募し、入選するのが目標なら時間はたっぷりあります。今はゆっくりでかまいませんから、ていねいに描いてください。

 次回からは仕上げに入ります。ホワイトの使い方、失敗のリカバリーの仕方などについて紹介します。お楽しみに!(10月1日(月)更新予定)

サンプルまんが作成 (C)十神 真
[実践:めざせ!受賞編第15回]
ペン入れ(1)
 今回から『ペン入れ』についてお話ししていきましょう。まんがを描き始めたばかりの人にとって最初のハードルがこのペン入れです。シャープペンや鉛筆なら自在な線が描けるのに、ペンだとうまく描けないという人が多いのです。インクをつけて描くということ自体、日常ではほとんどないことですから、仕方ありません。これはもう慣れるしかないのです。

●ペン入れに使うペン先

 まずはペン入れのサンプルを見てみましょう。下の原稿は、前回までの下描きにペン入れしたものです。ペン入れでこのくらいまで描き込みます。
 この原稿はワク線以外はすべてペンで描かれています。ここで、まんがを描くときに使うペンについて紹介しましょう。なお、ペンの使い方などはバックナンバーも参考にしてください。
 それぞれのペンで『入り』『抜き』をした例も紹介しましょう。『入り』とは線の描き始め、『抜き』とは線の描き終わりの表現のことです。サンプルのまんが原稿で右下のコマで使われているベタフラッシュの表現などに使います。

●ペン先は使い分けるのか?

 ここで紹介したペン先すべてを使い分けながら、描く作家さんもいれば、Gペンと丸ペンしか使わない人、Gペンしか使わない人…様々です。少女まんがでは、丸ペンしか使わない作家さんも多いようです。
 慣れればGペンで細い線を描くこともできますし、丸ペンで太めの線を描くこともできます。1種類のペン先ですべてをこなせれば楽ですし、ペンにも早く慣れます。ただしそれぞれのペン先本来の線とは違う線を描くわけですから、ペン先がすぐにダメになってしまいます。おろしたてのGペンならば細い線が描けますが、使っているうちに太い線しか描けなくなります。丸ペンで筆圧をかけて太い線を描いていると、ペン先が開いてしまい、細い線が描けなくなります。作家さんによってはそういったペン先を太い線専用にしている例もありますが、ペン先の消耗は早くなりますので、こまめに新品と取り替えながら描くことになります。

●まず一つのペン先にしぼって練習しよう

 現在、第一線で活躍している作家さんも、最初から思い通りの線が描けていたわけではありません。今、自在な線が描けるのは、経験と練習のたまものなのです。『ペンは描いた線の数だけ上達する』とよくいわれますが、ある作家さんのところでは、アシスタントに入ると、最初は右のようなカケアミの練習を毎日させられるそうです。原稿用紙がカケアミで埋め尽くされるくらいまで描くのですが、1か月もたつと自在にそのペンが扱えるようになっているそうです。

 カケアミばかりですと単調ですから、曲線やタッチをつけた線なども交えて練習したらいいと思います。特に『入り』と『抜き』は大切なテクニックですから、思いどおりの入り抜きができるようにしましょう。なお、最初から何種類ものペン先を使いこなすのは難しいと思います。もしあなたが男性向けのまんがを目指すのであれば、Gペンを、少女・女性向けのまんがを描くのであれば、丸ペンをまず徹底的に練習したほうがいいでしょう。

 次回はペン入れの続きです。サンプルをもとに具体的なペンの入れ方などをご紹介したいと思います。お楽しみに!(9月3日(月)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
[初級編第14回]
トーンを使おう(2)
 トーンの続きです。前回の後、皆さんから「トーンの削りがうまくいかない」「もっと詳しく教えて欲しい」というご意見を多数いただきました。というわけで、今回は『トーンの削り』について掘り下げてみたいと思います。

●1)削りができれば、こんな効果も

 トーンを削れれば、表現の幅はぐっと広がります。下のサンプルイラストを見てください。左はリアルな立体感の表現です。影と光の境界部分を削ってあげることで、グラデーションのような効果を出すことができます。この技はメカや背景などをリアルに見せる場合に重宝します。
 右は煙などの表現に使った例です。湯煙・雲・霧などの自然現象を表現する場合にも削り技は欠かせません。

●2)削るときはカッターの刃を寝かせた方向に動かそう

 カッターの刃は少し寝かせて使った方が動かしやすいようです。イラストのように刃を寝かせた方向に動かします。これで削れるのか疑問に思う人もいるかもしれませんが、大丈夫です。逆に刃を向けた方向に削ろうとしてもひっかかってうまく削れません。またカッターを扱う作業ですので、ケガをしないよう十分注意してください。

●3)削りの角度は22.5度で

 これはアミ点のトーンを削る場合の注意点です。イラストを見てください。アミ点のトーンを拡大したものです。点のならびが角度にして、0度・45度・90度…となるようにならんでいます。
 もしこの45度ずつのならびにそって削ってしまうと、右のイラストのように、アミ点がごっそりと削れてしまい、きれいなグラデーションにはなりません。
 そこで、削る方向を45度の半分、22.5度にします。もちろん厳密に22.5度で削るのは不可能ですから、だいたいでも大丈夫です。『直角を4分割した角度』とおおまかに目安をつけて削ってみてください。

 これを1方向だけではなく、下図のように多方向から削ってあげると、きれいにいきます。
 いかがでしたか? ちょっと初級編からは逸脱してしまったかもしれませんが、トーンを使いこなすには『削り』は必須です。トーンを数枚ムダにする気持ちで練習してみましょう。次回は、新人コミック大賞に応募するときの注意点についてまとめてみたいと思います。お楽しみに!(12月18日(月)更新予定)
[初級編第13回]
トーンを使おう(1)
 濃淡の表現や立体感の表現に欠かせないのがトーン処理です。手軽にきれいな表現ができますが、多用すると画一的な画面になってしまうこともあります。アミ点のトーン以外は手描きでも表現できるものがほとんどなので、ペンの練習もかねて、なるべく自分で描くようにしましょう。特に、まんがを描き始めたばかりの方は、トーン処理よりも、まずペンになれることをおすすめします。ペンを自在に扱えるようになってからトーンを使うようにしても遅くはありませんから。

●1)こんなときにトーンを使おう

 濃淡を表現する場合、アミ(網)という点の大小粗密で作られたトーンを使います。下の女の子のイラストは、さまざまなアミ点のトーンを貼っています。
 また建物や人物の陰にもアミ点のトーンを使うと、画面に立体感が生まれます。サンプルでは61番のアミ点トーンを使用しています。
 背景の処理にもトーンが使えます。イラストをみてください。どれも手描きでは難しいものですが、いくつかのアミ点トーンを組み合わせたり、『削り』というちょっとした加工をしてあげることでリアルで効果的な背景に仕上げることができます。

●2)トーンの種類と道具

 もともとトーンはまんが専用というわけではなく、デザイン画で濃淡や柄を表現するための画材でした。レトラセット社の『スクリーントーン』が元祖といわれています。昔は高価で、種類もアミ点のトーンなど限られたものでしたが、現在では各社からさまざまな柄のものが発売されています。価格も1枚500円前後です。
 プロの作家さんがよく使うものとして61番のアミ点トーンがあります。レトラセットのNo.61が定番ですが、他社からも発売されています。ただ同じ61番でもメーカーによって若干濃淡に差があるようです。

 積極的におすすめはしませんが、アミ点トーンの他にも下のような、カケアミ、背景などの柄のトーンもあります。
 なおトーンを切り出すにはカッターナイフが必要です。普通のカッターナイフでも大丈夫ですが、できれば写真のようなデザインナイフ(オルファ製500円前後)があると、細かな切り出しができて重宝します。

●3)トーンの使い方

 トーンは裏に弱い糊のついたフィルムです。カッターナイフで切って、原稿に貼り付けますが、うまく使うにはちょっとしたコツが必要ですので、紹介しましょう。

(1)

サンプルで女の子の髪の毛にトーンを貼ってみます。

(2)

原稿にトーンをあてて、おおまかにカッターで切り出します。

(3)

切り出したトーンをカッターの柄の部分で軽くこすり、仮固定します。なお、アミ点のならびを45度の角度になるようにするときれいに見えます。

(4)

髪の毛の輪郭に沿ってトーンを切ってゆきます。あまり強く切ると下の原稿まで切れてしまうので軽く刃をすべらせる感じで切ります。
 なお、あまり細かな部分をカッターだけで切り出そうとしても、うまく切り出せません。特に髪の毛などはそうです。そこで便利な技を一つ紹介します。
トーンの不必要な部分を切るのではなく、削ってしまうのです。カッターの刃を立てて、軽くこするようにアミ点を削りとっていきます。

(5)

このほうが細かな部分の処理もラクです。
イラストはだいたい削り終わったところです。

(6)

おおまかに不必要な部分を切り出して、はがします。

(7)

最後にトーンの台紙を原稿の上にのせ、カッターの柄やへらなどで強めにこすり、トーンを定着させます。この作業があまいとトーンがはがれてしまいます。

(8)

完成です。通常の切り出しに比べ、削り技を使えば倍くらい早くなります。ただ、トーンをうまく削るには練習が必要ですので、1枚トーンをダメにするくらいの気持ちで削ってみましょう。

 トーンの削り技は習得すると、いろいろなシーンで役に立ちます。次回はこのトーンの削りや応用技について、もう少しくわしく紹介します。お楽しみに!(12月4日更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
[初級編第5回]
1コマ、人物の絵を描いてみよう!
 まんがの基本は1つずつに区切られた『コマ』です。そこで今回は1コマのまんがを実際に描いてみることにしましょう。
下描き

●下描きを入れよう

1) 原稿用紙(市販のB4版のもの)に、これから描く絵の下描きを鉛筆で描いていきます。まずは定規と鉛筆を使って四角いワク線を引きます。そのワク内で、おおまかに人物の配置を決めていきます。
下描き 2) 次にその配置にそって、下描き線を重ねて描いていきます。気に入らなければ、どんどん線を重ねて描きます。
 線がゴチャゴチャしてきますが、よほど見づらくならない限り、消しゴムはかけません。ひんぱんに消しゴムをかけると、原稿用紙がケバ立って、次のペン入れの段階でインクがにじんだりするからです。鉛筆線もなるべく薄く描きます。


主線

●ペンで主線(おもせん)を入れよう

1) 下描きの上からGペンにインクをつけ、人物の線を描いていきます。ここでの注意点は、インクをつけてすぐに描かないこと。インクをペンにつけたら、まず不用な原稿用紙で試し描きをして、インクが垂れたりしないことを確認してから描きます。
 ペンの持ち方は写真を参考にしてください。

主線 2) ペンで線を描く基本は『上から下へ描く』です。上から下にペンを使えない場合は原稿用紙を回転させて描きます。ペンを下から上に動かしたりすると、原稿用紙にペンがひっかかったりしますし、思いどおりの太さの線が描けません。
 また線の太さは、原稿用紙に押しつけるペンの力でコントロールします。強く押しつければ太い線になりますし、弱く押しつければ細い線になります。


主線 3) 初めてペンを使う人は、なかなか思いどおりの線が描けないかもしれません。ここは練習あるのみです。少々はみ出したり、失敗しても、あとでリカバリーしますから大丈夫です。
 なお、描いたばかりの線を手でこすったりしないように、ペンを持つ手と原稿用紙の間に、ティッシュや紙をはさんでおくといいでしょう。




主線 4) 主線のペン入れが終わったら、0.8mmのサインペンでワク線を描きます。下描き線にそって定規を使い、線を引きます。

主線  この段階での仕上がりは左のイラストのようになります。

背景

●背景を描く

1) 次に背景を入れていきます。サンプルイラストの場合は集中線ですが、風景などの場合もこの段階で入れます。この段階でペンを使った作業はすべて終了させます。
 なお集中線などの背景の描き方については、回をあらためて紹介する予定です。

背景 2) チェックして線の描きもれがないようでしたら、しっかり乾燥させて、消しゴムで下描きの鉛筆線をすべて消します。消しゴムのかすが残らないように、写真のようなブラシを使うといいでしょう。






●仕上げ

1) 最後に髪の毛などをベタで塗りつぶしたり、はみ出した線などを修正液で消したりすれば完成です。
 ベタで塗りつぶすときは写真のような筆ペンが便利です。また小さな塗りつぶしならば、サインペンを使ってもいいでしょう。修正液は写真のようなハケ付きのものが手軽です。液がたれないように、容器のフチでぬぐって少量を塗ります。細かい修正が必要なら、ホワイトインクと細い筆を使いましょう。
仕上げ
仕上げ  とりあえず1コマの絵が完成しました。実際にはコマ単位でこのように描くわけではありませんが、絵を描く過程はわかっていただけたと思います。
 次回は“いろいろな大きさやポーズで人物を描いてみよう!”です。お楽しみに!(8月7日(月)更新予定)

サンプルまんが作成 (C)十神 真
[初級編第4回]
"これだけあれば、まんがが描ける""
道具をそろえよう!その2

●まんがに必要な道具

 前回、紹介しきれなかった道具の続きです。

5)原稿用紙

原稿用紙
●漫画原稿用紙・B4(40枚):600円くらい
 一口にまんが用の原稿用紙といっても紙質・サイズ・厚さでさまざまなものがあります。紙質は上質紙・ケント紙・画用紙など。サイズはB4版・A4版などですが、新人コミック大賞に応募する場合、B4版の原稿用紙を使います。  厚さは重さの単位であるkgで表しますが(重いほど厚い紙になります)、135kgくらいのものがいいでしょう。最近は、各社からまんが専用の原稿用紙が発売されているので、それを購入するのが手軽です。基準となる版面用のワク線や目盛りが青く印刷されたものが使いやすいと思います(この青い線は印刷には出ません)。  原稿用紙は実際にインクとペンで描いてみないと、描きやすいかどうかの判断はできません。何社かの原稿用紙を試してみてください。写真はミューズの漫画原稿用紙・B4(上質紙 135kg)です。


6)鉛筆・消しゴム

鉛筆消しゴム
●鉛筆(芯の硬さB):60円くらい(1本)
●プラスチック消しゴム:200円くらい
 原稿用紙に下描きを入れるときに使います。鉛筆ではなく、シャープペンでもOKです。HB~2Bくらいの芯を使いましょう。芯が硬すぎると原稿に鉛筆あとが残って、ペンがひっかかったりしますし、逆に柔らかすぎると消しゴムをかけるときに鉛筆線がきれいに消えないことがあります。
 消しゴムは通常のプラスチック消しゴムを選べばいいでしょう。昔は原稿用紙との相性もあり、消しゴムをかけたら紙がケバだってしまうこともあったのですが、今はほとんどないようです。

7)定規

 ワク線を引いたり、効果線を描いたりするときに使います。40cm程度の直線定規が1本あれば大丈夫ですが、できれば三角定規も一つあると便利です。直線定規とあわせて写真のように簡単に垂直線や平行線が引けます。  目盛りのついた透明アクリル製で、直線定規はインクの染みこみ防止の面取りが片面にされているものを選びましょう。精度の高い定規は高価ですが、ていねいに使えば一生モノです。
定規
●直線定規(45cm):1,500円くらい
●三角定規(2本組):1,800円くらい
サインペン
●サインペン(0.8mm):200円くらい

8)サインペン

 Gペンなどと違い、幅のそろった線を引くときに使います。とりあえず0.8mmの線幅のものが1本あれば、ワク線を引くときに重宝します。  作家さんによってはもっと細い線幅のものを丸ペンのかわりに使い、背景を描いたりしています。
筆ペン
●筆ペン:500円くらい

9)筆ペン

 本来は書道用のものですが、黒ベタ部分を塗りつぶすのに便利です。中字~太字のものを買いましょう。使い慣れれば、細かな込み入った部分も大面積も、これ1本で塗りつぶすことができるようになります。

10)製図用ブラシ

ブラシ
●製図用ブラシ:
800円くらい
 原稿用紙にケシゴムをかけたあとのカスをはらうのに使います。必ずないといけない道具ではありませんが、手でこすったりはらったりすると原稿用紙が汚れて、思わぬ修正をすることになります。『転ばぬ先のブラシ?』ですね。

 以上が基本のまんが道具です。全部揃えるとけっこうな金額になってしまいますが、絵を描くだけなら、原稿用紙・インク・ペン&ペン軸だけでできます。いきなりコマを割って描くのではなく、1シーンだけ描いてみる…ことから始めてもいいのです。もちろん最初はペンにも慣れていないし、うまく描けないでしょう。プロの作家さんも初めはそうでした。とにかくたくさん描くことでうまくなっていったのです!
 次回は、"1コマ、人物の絵を描いてみよう!"です。お楽しみに!(7月24日(月)更新予定)

[初級編第3回]
"これだけあれば、まんがが描ける"
道具をそろえよう!その1

●まんがに必要な道具

 今回は、まんがを描くために必要最低限の道具を2回にわけて紹介します。最初はこれだけそろえれば十分でしょう。他に便利な道具や素材もありますが、それは中級編以降でお話しします。  さて、道具にはダメになったり、減ったりしたら買い直す消耗品と、ほとんどずっと使える一生モノがあります。まんが道具を買うコツとしては
●消耗品は、とりあえず何を選んでもでもいい
●一生モノは、価格の高いものを購入したほうがいい

ということでしょうか。  ペン先やインクなどの消耗品は価格も安めなので、使ってみて自分に合わないなと思えば、買い換えも容易です。しかし定規などは、きちんと使えば一生モノです。まんが制作にはそれほどの精度は要求されませんが、なるべくいいものを購入したほうがいいでしょう。 では、それぞれの道具を紹介しましょう。

1)ペン先

ペン先  まんがで線を描くための基本的な道具です。これを2)のペン軸にはめ、3)のインクをつけて、線を描きます。さまざまな種類のペン先がありますが、とりあえず写真の2種類があればいいと思います。写真左がGペン、右が丸ペンです。

 Gペンは、おもに人物を描くときに使います。ペンを紙に押しつける時の角度や力で、太い線になったり、細い線になったりしますから、線に表情がつけやすいペンです。まずはこのペンで練習しましょう。
 丸ペンは、背景など線幅のそろった細い線を描くときに使います。きれいな細い線が描けるので、少女まんがなどでは人物もこのペンだけで作画する作家さんもいるようです。
 両方のペン先とも、数社から発売されています。描き味が微妙に異なるようですが、最初はどれを選んでもそう変わりません。買ったばかりの新品には、サビ止めにオイルが塗られていたりしますから、まずはティッシュなどできれいにふきとってから使いましょう。
●Gペン先:60円くらい
●丸ペン先:90円くらい

 なお、ペン先は消耗品です。使っているうちに先がすり減ったり、先端が開いて細い線が描けなくなってきたら交換時です。

2)ペン軸

 ペン先をはめて、下の写真のように使います。ペン先によって使用するペン軸は変わります。Gペンなどは右写真の下のタイプを、丸ペンは上のタイプを使います。ペン先をはめ、グラグラしないことが最低条件です。また握った時の感触も大切です。ただ人間の手や指は千差万別ですから、そうそうぴったりな製品があるはずもないので、既製品に慣れることも必要です。作家さんは、自分が使いやすいようにテープを巻いたり、ゴム製のサポーターをはめたりしているようです。
ペン軸
●フリーサイズペン軸:250円くらい
●丸ペン軸:200円くらい

3)インク

インク  ペン先に適量つけて、線などを描くためのものです。昔は「製図用インク」派と「墨汁」派に分かれていましたが、現在は製図用インクを使用する作家さんが多いようです。またまんが専用のインクも発売されています。インク選びは使用する原稿用紙との相性もあるので、できれば何社かのインクを試した上で、最終的に使用するインクを決めるとよいでしょう。  写真で紹介したのは、まんが制作によく使われるパイロット社製の製図用インク(写真左)と、アイシーのコミックスーパーブラック(写真右)です。どちらも乾くと耐水性になります。
●製図用インク:500円くらい
●まんが用インク:500円くらい

4)修正液

修正液  ホワイトとも呼びます。はみだした線をこれで消したりする時に使います。以前はポスターカラーの白を使うことが多かったのですが、今ではいくつかの便利な修正液が発売されています。  写真の左は、コミック専用の修正用白インクです。筆を使って修正するタイプです。使用後、筆を洗わないといけないので面倒くさいのですが、微妙な修正作業が必要なときに重宝します。右は刷毛(はけ)のついた油性の修正液です。手軽に使えるので愛用している作家さんも多いようです。ただし、細かい修正には向かない(慣れればできますが…)、インクとの相性が出ることがある、ので注意。
●修正用白インク:200円くらい
●油性修正液:400円くらい

 なお、こういったまんが用の道具は、ユザワヤなど大手の手芸専門店や画材店・文具店で手に入ります。もし近くにお店がないようでしたら、インターネットの通販ショップで購入しましょう。
 次回は道具の紹介その2です。原稿用紙や定規、サインペンなどの紹介です。お楽しみに!(7月10日(月)更新予定)

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