[パソコン作画編第9回]
トーンを貼る(2)
 トーンワークの続きです。前回はトーンの貼り方の基本を紹介しましたが、今回は応用編です。紙とペンのアナログ作画と同じように、パソコンでもトーンを削ったり、重ねたりして、様々な効果を出すことができます。なお今回も使用ソフトはComic Studioを使います。

●トーンを削る

 トーンを削る場合は、貼ったトーンの上から、消しゴムツールやブラシツールで、トーンを消していくことになります。どのツールを使うかで、効果は変わります。  下は消しゴムでトーンを消した時の画像です。トーンレイヤー上で消しゴムで消したり、ペンツールなどで描き足したりもできます。
 こちらはトーン削り専用のブラシツールで削った画像です。カッターで削ったような削り効果ができます。
 実際の原稿で効果をみてみましょう。女の子の髪の毛のトーンを削って、ハイライトを入れてみました。髪に立体感がでますね。

●トーンを重ねる

 今度はトーンを重ね合わせてみましょう。基本はアナログ作画と同様に複数枚のトーンを重ね貼りすればいいのですが、ただそのまま貼ると下のようなことになります。
35L20%のトーンの上に、同じ線数(35L)の10%のトーンを重ねてみました。キッチリと重なってしまい、これでは重なっているように見えません。そこで10%のトーンを移動してやります。重なったところが濃くなりましたね。
さらに重なったトーンを回転させてモアレの効果を出すこともできます。
 実際の原稿の事例です。女の子の髪の毛の影になっている部分(緑色のところです)に重ね貼りして、暗くします。なお全体に55L20%のトーンが貼られています。
 ここに影の部分のみ10%のトーンを貼ります。下の絵は貼った後のものですが、ぴったり重なっているため、濃くなりません。
 そこで、先ほどと同じように10%のトーンを少しずらします。これで濃くなります。
 なお、トーンを移動や回転させるときは、まずプレビューでの作業で確認したほうがいいでしょう。トーンがどのように見えるか、シミュレーションができますので。

●グラデーションをかける

 濃淡のついたグラデーションのトーンを貼り付けることもできます。下の絵、二人の後ろにある校舎の窓にグラデーションをかけてみましょう。貼りたい部分(窓の部分ですね)をまず領域選択します(緑色の部分です)。次に「素材」から使いたいグラデーショントーンを選び、プロパティのプレビューをチェックします。
プレビューの状態のまま、トーンを移動・回転し、貼り付けます。新しくできたグラデーショントーンのプロパティを開くと、移動・回転や線数変更・長さや濃度変更など微調整が可能です。
さらに、トーンを削ったりして、ガラスっぽい硬質感をつけてみました。完成です。
 いかがですか? 様々な表現が簡単にできてしまいます。ある作家さんは、パソコン作画を導入して、作画が早くなったのは良かったのですが、いろんなことができるので逆に作画に凝ってしまい、原稿の上がる時間は変わらなかったとか…

 さて次回は、フィルターを使った様々な特殊効果について紹介します。背景をぼかしたり、うねりをつけたり、パソコン作画ならではの手法です。お楽しみに!(6月16日(月)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
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