[パソコン作画編第4回]
まんが原稿をパソコンに取り込む
 今回から、パソコンを使った作画の実践になります。作業の手順としては、
[1] まず、線画の原稿用紙をスキャナーでパソコンに取り込む
[2] ワク線などを描き入れる
[3] ベタ塗り・トーン貼り・背景処理
[4] 修正作業
[5] プリントアウト・確認など

という流れになります。まずは[1]のまんが原稿の取り込みについて、ご紹介します。なお特に断り書きがない限り、使用ソフトは『Comic Studio Debut』です。

●原稿用紙の設定をする

 まず最初にやることは、画面上にまんが原稿用紙を作ることです。Comic Studioのファイルメニューから新規作品を選び、B4サイズの原稿用紙設定をします。下の画面写真がそれです。すでにB4まんが原稿用紙のテンプレートがあるので、それを利用すればいいでしょう。
ここで大切なのは基準解像度です。600dpiを選びます。dpiとは解像度を表す単位で、数値が大きいほど細かい表現が可能になります。プロの作家さんがパソコン作画する場合も600dpiで作画します。また基本表現色はモノクロ(グレースケール)を選択。この設定が終わると、画面上に青い基準線が入った原稿用紙が表示されます。この原稿用紙上でまんがを描いたり、修正を入れたりしていくのです。

●線画の原稿用紙をA4スキャナーで分割スキャンする

 パソコンソフト上の原稿用紙に線画原稿を取り込みます。パソコン作画編第2回でも紹介しましたが、このとき必要なのがスキャナーと呼ばれる機械です。プロの作家さんはB4の原稿用紙を一発で取り込めるA3対応スキャナーを持っていますが、高価ですし、製品数も多くありません。一般的に普及しているのはプリンターと一体になった複合機でしょう。これなら約2万円くらいから手に入ります。ただし、A4までのサイズの原稿しか取り込めません。ここではA4スキャナーでの分割取り込みの方法をご紹介します。右のB4線画原稿を取り込んでみます。
 Comic Studioのファイルメニューから取り込みを選び、スキャナーを立ち上げます。絵が描いてある面をスキャナーの読み取り面にあて、まず原稿の上半分をA4スキャン。次に、原稿をずらして下半分をA4スキャンします。本来は1枚の原稿を上下に分割して2枚の画像にするわけです。
 スキャンの設定は、やはり600dpi、モノクロ(グレースケール)とします。スキャン時の注意点は、原稿をスキャナーのガイドにきちんとあてて、ずれたりゆがんだりしないようにすることです。スキャン後は次のような2枚の画像になります。

●分割された原稿を1枚に合成する

 2枚の画像を1枚に合成します。最初に作ったB4原稿用紙に、2枚の画像を重ねます。このままでは、分割してスキャンしたときの画像のズレがありますから、真ん中あたりで、ブレて重なったようになります。
 これを修正します。上半分画像、下半分画像を原稿用紙の基準線に注意しながら、それぞれ移動させ、ぴたりと重なるようにします(正確に重ならないことも多いので、だいたいでもかまいません)。
 これで位置は合いました。しかし真ん中あたりで画像は重なったままです。そこで重なっている余分な部分をカットします。コマとコマの段間で絵のない部分を境に不要な箇所を領域選択し、カットします。図では下半分の画像から不要な部分をカットしていますが、同様に、上半分でも不要部分をカットします。
 そして上半分画像、下半分画像を合成して1枚の画像にします。

●ゴミがないかどうかチェックしよう

 スキャナーから原稿を取り込むときに、読み取り面や画稿についたゴミも読み取ってしまうことがあります。パソコン画面上では気が付かなくても、プリントアウトしたときにしっかり出てしまうことがありますから、画像を拡大モードにしてゴミのチェックをします。
 画面で青く囲ったところがゴミです。消しゴムツールもしくは領域選択→カットでこのゴミを取り除きます。これで1ページ分完了です。

 実際には、この作業をページ数分繰り返しますから、けっこう大変です。ただ一度パソコンに画像を取り込んでしまえば、あとの作業は楽ですから、がんばってください。なお、今回の作業中、パソコン作画する場合の重要な概念である「レイヤー」についての解説は省いてしまいました。原稿用紙に2枚の画像を重ねたり、1枚に合成したりする場合、このレイヤーという概念を理解しておかねばなりません。次回、このレイヤーについて詳しく紹介します。お楽しみに!(3月17日(月)更新予定)
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