[パソコン作画編第1回]
パソコンでできること
 初級編、実践編と続けてきた『まんが家養成講座』ですが、今回からまんが作画でトレンドの「パソコンを使った作画」について紹介していきたいと思います。最近はプロの作家さんだけでなく、新人コミック大賞の応募でもパソコン作画作品がみられるようになってきました。ただパソコン作画はこれまでに解説した方法とはまったく違うテクニックが必要になってきます。勝手が違うので戸惑うことも多いのですが、使いこなせれば、とても便利なツール(道具)になります。
 ただしあくまで道具ですから、これだけで絵が上手くなるわけではありません。また本格的に使うためには相当のお金がかかります。それでもこういう作画の方法があるということは知っておいて損になることはありません。

●パソコンでまんがを描くってどういうこと?

 右の写真を見てください。これはあるプロ作家の方のパソコン作画環境です。キーボードの向こう側にあるのは、ペンタブレットというものですが、これに専用のペンで絵を描いていくことになります。描いた絵はその奥にあるモニターに映し出されます。

 パソコンをお持ちでしたら、グラフィックソフトを使って簡単なお絵描きなどをしたことがあると思いますが、基本はその延長です。また作家さんによってパソコン作画の程度はまちまちで、
[1]絵コンテから仕上げまで、すべてパソコンで描く
[2]線画までは原稿用紙とペンで描き、以降の仕上げをパソコンで行う
[3]ベタ・トーン処理のみパソコンで行った後、原稿用紙に出力して、手描きで修正をする
など様々なスタイルがあります。
 主流は[2]で、アシスタントさんが担当する作業をパソコンで省力化しようという目的で使っている作家さんが多いようですね。

●パソコン作画の便利なところと不便なところ

 パソコンで作画するメリットは何でしょう。一例をあげてみましょう。

 左の線画イラストにベタを塗ったり、トーンを貼ったりしたい場合、従来でしたら、筆でスミを塗ったり、トーンをカッターで切り抜いて貼ることになります。これがパソコンの場合、簡単な操作で一瞬で完了します。

 しかもはみ出しを気にしたり、失敗することはありません。また、「やっぱり髪の毛はトーンの方がよかったかな、服も別の柄で…」などのときも、手順を戻してやり直しできます。

 実際の見え方のシミュレーションが簡単にできるわけです。気に入らなければ何度でもやり直しができます。
 ここで紹介したのはほんの一例ですが、パソコン作画のメリットをまとめてみましょう。
○失敗してもやり直しが簡単
○トーン貼りやベタ塗りが一発でできる
○修正が楽にできる
○人物配置や描き文字・フキダシ位置などの検討もできる
○トーン代などがかからない
○ワク線などの均一な線が簡単に引ける


などでしょうか。もちろんデメリットもあります。

×機材を揃えるのにお金がかかる
×操作を覚えるのに時間がかかる
×仕上げなどはきれいにできるが、絵がうまくなるわけではない
×パソコンが壊れたり、などのトラブルに弱い
×絵にアナログ感がなくなり、単調になりやすい


 このメリットとデメリットをあなた自身で判断し、パソコン作画をするかどうか決めてください。お試し用のソフトウェアなども販売されているようですから、まずはそれを使ってみて、気に入ればパソコン作画環境を整えるというのがいいと思います。
 なおパソコン作画した作品だから、新人コミック大賞の審査で有利になったり、不利になったりすることはありません。

 次回はパソコン作画に必要なソフトウェアや機材について紹介したいと思います。お楽しみに!(2月4日(月)更新予定)
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