[実践:めざせ!受賞編第23回]
仕上げ(6)
 トーンワークの続きです。トーンは重ねて貼ることで、さらに濃い影を表現したり、ユ ニークな効果をだしたりすることができます。今回はこの「トーンの重ね貼り」についてご紹介しましょう。

●トーンを重ねるとどうなるか

 よく使う61番のアミ点トーンを重ねてみます。まったく同じ角度で重ねると、重なったところが少し濃くなりますが、トーンを回転させて重ねてみると、下のイラストのように不思議な模様になります。アミ点トーンならではの「モアレ(干渉縞)」と呼ばれる現象です。重ねる角度によって様々な模様になりますので、手持ちのトーンを使って試してみてください。
 このモアレ、見ている分には面白いのですが、モアレに絶対なってほしくない場合もあります。薄暗いシーンにもう1段濃い影を入れたり、日に焼けた肌にさらに影をつけたい場合などです。
 角度を変えなければ大丈夫、なはずなのですが、きちんと角度を合わせてもモアレになってしまうことがあります。番号の異なるトーンを重ねる場合などです。
 アミ点のトーンは61番とか83番などの番号で呼ばれます。この番号はどんな意味があるのでしょうか? 購入したトーンの隅のほうに、例えば61番のトーンでしたら「60L10%」などと表記されていることがあります。これは次のような意味なのです。
 つまり61番のトーンは「60Lの密度の10%の濃さを持った」トーンというわけです。同様に83番ならば「80Lの密度の30%の濃さを持った」トーンです。
 実はこのLの線数がモアレに大きく関係します。結論から言うと、

 同じL(線数)のトーンならモアレは出ない
 違うLのトーンはモアレが出る


 となります。
 下のサンプルは62番(60L20%)を貼ったカットに、さらに61番(60L10%)を重ね貼りしたものです。
 角度を変えずきちんと貼れば、モアレはでません。なお注意点として、同じLのトーンでも、最初のサンプルのように角度をつけてしまうとモアレが出ること、またトーンのメーカーが異なると、同じLのトーンでもモアレがでることがあります。重ね貼りをするなら、同一メーカーのものにした方がいいようです。

●重ね貼りでグラデーションも表現できる

 右のイラストは、トーンの下側を削りながら、何層か重ね貼りして表現したものです。濃→淡のグラデーション表現です。グラデーション専用のトーンも販売されていますが、シーンに合わせたオリジナルの表現にしたいときなどは重宝します。なおトーンの削りについては、初級編第14回の「トーンを使おう(2)」にくわしく紹介しましたので、参考にしてください。

 さて、『まんが家養成講座 実践:めざせ!受賞編』は今回でいったん終了です。ちょっと時間をいただいて、次回からは問い合わせの多い、「パソコンを使った作画」についてご紹介していきたいと思います。お楽しみに!(2008年1月21日(月)更新予定)

サンプルまんが作成 (C)十神 真
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