[実践:めざせ!受賞編第20回]
仕上げ(3)
 今回は、線のはみ出しや失敗を修正するテクニックについてお話しします。どんなプロ作家さんも修正なしにまんが原稿を仕上げるのは不可能です。修正の段階では修正液(ホワイト)を使いますが、雑誌に掲載されたまんががきれいに見えるのも、この修正の技術、修正液の使い方が上手だからなのです。

●大切なのは修正液選び

修正液  修正をきれいに仕上げるコツは、まずどの修正液(ホワイト)を選ぶかにあります。右に一般的な修正液を挙げておきます。左は水で薄めて、筆で塗るタイプ。乾くと耐水性になります。右は油性の速乾タイプで、ふたについている刷毛で塗るものです。他にも製品はありますが、大事なことはあなたの使っている黒インクをきれいに消せるか、ということです。


 実は黒インクと修正液には相性があります。描いた線の上から修正液を塗ると、イラストのように下の線からインクが浮き出てきたり、溶け出してにじんだりすることがあるのです。最近はこの相性問題は減っているようですが、こればかりは実際に試してみるしかありません。しっかりと乾かしたペン画線の上に使いたい修正液を塗って様子をみます。
 もし、下の線がきれいに消えたまま修正液が乾くならば、大丈夫です。にじんだりするようなら、修正液のメーカーを変えてみたり、水性から油性のものにしてみてください。なお修正液は、必ず黒インクをしっかり乾かしてから、塗ってください。生乾きのインクに修正液を塗ると、相性問題以前に必ずにじんでしまいます。

●厚塗りにならないように気をつけよう

 また、修正液を上手く使うには厚塗りをしないことが大切です。しっかり消すために何度も何度も塗り重ねてしまうことがよくありますが、消した後、さらにペンを入れる場合、ペンが厚塗りした修正液に引っかかって、ガリガリの線になってしまいます。
(右のイラストではわかりやすくするために、修正液を厚塗りしたところを薄い緑色にしてあります)

 修正液は使っているうちに水分や溶剤が飛んで、濃くドロッとしてきます。これも厚塗りの原因になります。水や専用の溶剤で薄めて、塗りやすく、下の線がきれいに消える濃度に調整してみてください。なお厚塗りしてしまった場合は、ペン先の鋭くないカブラペンを使うと引っかかりにくいので、右のイラストのようにスムーズに描けます。タッチは若干変わってしまいますが、小さな修正なら問題ありません。

●修正の手順はどうやるの?

 では具体的に修正の手順をみてみましょう。


 人物の顔を描いてみましたが、どうもほほからあごへの輪郭を大きく描いてしまったようです。これではバランスが悪いので、点線のように輪郭線を修正します。

 失敗線を修正液で消します。厚塗りにならないように気をつけます。

 修正液がしっかり乾いてから、上からペンで新たに輪郭線を描いて完了です。通常はこの手順で修正しますが、別のやり方もあります。修正液を塗る前に修正線を描いてしまう方法です。

 失敗線を気にせず、修正線を描き入れてしまいます。その後、失敗線のみ修正液で消すのです。修正液の上からペンで線を引くと描き味が変わってしまうので、この方法のほうがきれいな線が描ける、という作家さんもいます。ただし修正は新しく描いた線まで消えないように慎重にする必要があります。どちらがいいかは一概にはいえませんが、直す箇所が複雑で、線が込み入っているなら、先に修正液を。直しが単純なら、先に線を描き入れた方がいいかもしれません。
 次回は修正の続きになります。修正液で効果を出す方法や、コマをそっくり別の絵に差し替える荒技(?)などについて紹介します。お楽しみに!(11月19日(月)更新予定)

サンプルまんが作成 (C)十神 真
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