[実践:めざせ!受賞編第19回]
仕上げ(2)
 今回から仕上げの段階で役に立つテクニックを紹介していきましょう。まずは「ベタ塗り」です。

●失敗しないベタの塗り方

 ベタ塗りで難しいのは、髪の毛など込み入った部分を塗る場合です。まず使うのは筆ペン。筆ペンも細字~太字までいくつかの種類がありますが、なるべく細いものを使うほうがいいようです。
 サンプルで説明しましょう。髪の毛やセーラー服の襟の部分をベタで塗ります。筆ペンで毛先などや輪郭をふちどるように塗ります。特に毛先を塗るときは、筆が上から下にスッと入れられるように、毛先の先端が上になるように原稿を回して塗っていきます。
 なお筆ペンがうまく扱えないようなら、0.3mmのサインペンを使ってもいいでしょう。ただ筆ペンは後で紹介するような効果も出せるので、できれば習熟しておきたいところです。
 込み入った部分の輪郭が塗り終わったら、残りの部分を塗りつぶします。ここでは繊細な作業は必要ありませんから、一気に大面積を塗れるものがいいでしょう。太めのマーカーペンが重宝します。

●本当にそこはベタでいいのか、もう一度考えてみよう

 新コミ応募原稿でよくあるのが、大きなコマのバックをベタのみで塗りつぶしたり、人物のアップのコマで髪の毛をベタで塗りつぶしたりしている例です。右のイラストを見てください。当たり前ですが、ベタを塗ると真っ黒になります。大面積をベタ塗りすると、重く、単調な表現になってしまうのです。

 こんな場合はベタに表情を与えてあげるといいでしょう。下のイラストは髪の毛をベタだけでなく、筆ペンを使って白地を残すように塗り、流れるように表現したものです。艶やかで立体感のある髪の毛に見えますね。またカケアミを使って、白地→カケアミ薄→カケアミ濃→ベタのグラデーションにするほうがいいこともあります。暗闇でランプが灯っているシーンなどには効果的です。
 ベタを塗る面積が小さければ、あまり気にする必要はありませんが、大きくベタ塗りする場合は、「本当にそこはベタだけでいいのか、他の表現やプラスアルファの表現をしたほうがいいのではないか」を考えてみてください。

 次回は修正です。線のはみ出しや作画の失敗のリカバリーについて詳しく紹介したいと思います。お楽しみに!(11月5日(月)更新予定)

サンプルまんが作成 (C)十神 真
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