[実践:めざせ!受賞編第14回]
下描きを描く
 絵コンテを見ながら、まんが原稿用紙にペン入れのガイドとなる線を鉛筆で入れてゆく、それが『下描き』です。下描きの鉄則は「ペン入れの時は助けになり、ペン入れが終わったら、跡形もなく消える」ことです。またこれ以降、絵の大幅な変更もできませんから、ペン入れ前の最終チェックとしても大切な作業です。なお下描きの基本についてはバックナンバーの初級編第2回『1ページのまんがが描き上がるまで』もあわせてご覧ください。

●下描きはどこまで描けばいいのか?

 みなさんからよく聞かれる質問です。実はプロの作家さんでも千差万別で、背景も含め、かなり細かく鉛筆を入れる人もいれば、絵コンテと同じくらいの絵しか描かない人もいます。ただまんがを描き始めたばかりの人でしたら、人物を中心になるべく細かく描いてあげた方がペン入れの失敗は減ると思います。前回の絵コンテを下描きした場合のサンプルを紹介します。このくらい線が入っているとペン入れもスムーズに行くと思います。

●下描きでは消しゴムは使わない

 ペン入れがしやすいように、なるべくきちんと描こうとするのはわかりますが、消しゴムで線を消しては描き、消しては描きはやめたほうがいいでしょう。原稿用紙に何度も消しゴムをかけると、紙の表面が荒れたり、けば立ってしまい、次のペン入れの時にインクがにじむことがあります。失敗した線はそのままにして、新たに線を描き足すようにしてください。消しゴムはペン入れが終わってからまとめて入れます。

●消しゴムで消えやすい線を描く

「ペン入れが終わったら、跡形もなく消える」ためには、硬く線の鋭い鉛筆は使わず、HB~2Bくらいの柔らかめの鉛筆で、薄く描いたほうがいいでしょう。下のイラストをみてください。左は適正な例ですが、右のように、太くゴチャゴチャと線が入ると消しゴムをかけるときに苦労します。なにより、これではどこにペンを入れていいのかわかりませんね。
 また鉛筆の線は、手についた汗でも簡単にかすれ、原稿用紙にしみてしまいます。特に太く濃い線の場合は、下の右イラストのようになってしまいます。こうなると消しゴムでも完全には消えません。これを防ぐために、手と原稿用紙の間にティッシュなどをはさんで描いてください。

●下描きが終わったら全ページ通して見直してみる

 全ページ下描きが終わったら、通して読んで、もう一度作品全体を見直してみましょう。絵や構図などにおかしなコマはないでしょうか? たとえばヘアバンドをしているはずのヒロインが、あるコマだけしていなかったり、学生服が突然私服になったり、意外とミスが見つかるものです。後々の修正の手間を減らすためにも、しっかりチェックしましょう。

 次回からは『ペン入れ』についてお話しします。ペン入れのコツやペンの効果的な使い方などをご紹介する予定です。お楽しみに!(8月20日(月)更新予定)

サンプルまんが作成 (C)十神 真
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