[実践:めざせ!受賞編第9回]
ストーリーはどうやって作るのか?(9)
 今回は具体的なストーリー構成についてご紹介します。おおまかな構成ができたら、より細かな構成をして、ページごとに割り振っていきます。絵コンテ(ネーム)の前段階です。プロの作家さんは構成をすべて頭の中でおこなって、いきなり絵コンテから入る人も多いのですが、これは週間連載などで時間的な余裕がないことが大きな理由のようです。新人コミック大賞に応募する場合は、時間はたっぷりありますから、絵コンテを描く前にきちんとしたストーリー構成をしておいたほうがいいでしょう。特に32ページなどの読み切りは詳細な構成なしに絵コンテを切ると、途中でページ数が足りなくなったり、ページ配分のバランスが悪くなったりしがちですから。

●プロの作家さんはこうしている

 絵コンテ前の最終的なストーリー構成のやり方は、作家さんによって様々ですが、代表的な手法を3つ紹介します。

[1]付箋とノートを使う方法
 以前、実践第4回のエピソードの回で紹介した方法です。考えた細かなエピソード毎にポストイットなどの付箋に1枚1枚書き出し、ページ数を振ったノートに貼り付けていきます。実際のまんがを読むようにページ毎に構成が見渡せること、そしてエピソードの入れ替えや再構成が簡単にできること(付箋をはがし、別のページに貼り直す、また新たに付箋を書いて貼り足す…)など、とても効率的なやり方です。コマ割りのイメージもしやすいので、次の絵コンテがとてもスムーズにできます。付箋に簡単な絵やセリフを書き込んで、これで絵コンテにしてしまう作家さんもいるくらいです。

[2]1枚の紙を使う方法
 今でも多くの作家さんが使っている手法です。右のイラストのように、ページをイメージした枠をB4サイズくらいの1枚の紙にページ数分書き入れて使います。ページ毎の枠はすごく小さくなるのですが、ここにエピソードを書き込んでいきます。簡単な絵を描き入れることもあれば、セリフや擬音だけを入れる人もいます。1枚で多くのページを見渡せるので、全体のバランスをつかみやすいこと、手軽なこと(最初に作ったひな型を何枚もコピーしておけば使いやすい)で人気があります。ただ、エピソードの入れ替えや再構成する場合は少々面倒ですね。

[3]文章で書く方法
 ちょっと特殊なのですが、頭の中でまとめた構成を文章で書き出す手法です。ページの区切り毎にナンバーを振って書いていきます。ワープロを使えば、エピソードの入れ替えや再構成も容易です。コマ割りなどのイメージはしにくいでしょうが、なれればこれも手軽なやり方です。これを絵コンテがわりにして、次の下書きに進んでしまう作家さんもいます。

●自分に合ったやり方をしよう

 ここでは3つのやり方を紹介しましたが、あなたの気に入った方法はありましたか? 必ずこの方法でやらなければならないということはありません。紹介した以外にもあるかもしれません。要は次の段階の「絵コンテ」が作りやすいやり方であれば、なんでもよいのです。絵コンテは最終的なまんが設計図になります。おおまかなコマ割り、セリフ、構図などが入りますが、ストーリーの構成はその前に終わっていなければなりません。そのための一番やりやすい手法をみつけてください。

 次回は『ストーリーの作り方編』の最終回になります。今までのまとめと注意点についてお話をしようと思います。お楽しみに!(6月4日(月)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
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