[実践:めざせ!受賞編第4回]
ストーリーはどうやって作るのか?(4)
 ストーリーを具体的に作っていく上で欠かせないのが『エピソード』です。今までにお話しした『テーマ』や『キャッチ』も、また次回以降ご紹介する『キャラクター』も、どんなエピソードにするのかによって、それが読者にきちんと伝わるかどうかが決まるのです。今回は具体的なテクニックを交えて紹介しましょう。

●『エピソード』って何だ?

 エピソードは、ストーリーの中で起こる出来事一つ一つを指します。たとえばファンタジーまんがを例にとれば、
『昼休み、学校の屋上、友人と遊び半分で描いていた六芒星が光り出す』
『突然光に包まれる主人公、そして異世界に召還される』
『召還された世界~夜、頭上に3つの月が輝く ここが地球ではないことを知る』
『目の前には深い森、はるかかなたに高い塔らしきもの それを目ざし歩き出す』
……
 この『』で区切られた場面ごとのひとかたまりがエピソードです(もっと細かく考える場合もあります)。
 いつ、どこで、だれがなにをどのようにするのか? 具体的なアイディアやキャラクターの行動がエピソードというわけです。

●『エピソード』からストーリー構成を作る技『付箋&ノート』

 1つのまんがはエピソードの集合でできています。その作品のキャッチになりそうなスペシャルなエピソード以外にも、小さなエピソードなども必要です。  このエピソードたちを順番にならべていったものが、ストーリーの構成です。しかしエピソードはただ時間経過順にならべればいいわけではありません。最初に主人公のバトルシーンを入れる方が、読者にアピールするかもしれませんし、推理ものであれば、最初に犯人を特定してしまうことだってアリです。いろいろ試行錯誤しながら、このエピソードが効果的なのはどこか?と悩むのもストーリー作りでは日常茶飯事なことです。
 あなたは思いついたエピソードをどうしていますか? アイデアノートなどに書きためている人も多いのではないでしょうか?
 とある作家さんのアイデアノートをみせていただいて驚きました。そのノートには、5×5cm大の付箋(ふせん:ポストイットなどの簡単に貼ったりはがせたりできるメモ紙のことです)がびっしり貼ってあったのです。一つ一つの付箋に、思いついたエピソードが書かれています。ストーリーの構成を考える場合はその付箋をページ数を書き入れた別のノートに振り分けながら貼っていきます。ノートのページが実際のまんがの構成になります。
 もし「このエピソードはもっと前に持って行ったほうが効果的だな…」ということならば、そのエピソードが書かれた付箋をはがして、前のページに張り直します。不要なエピソードははがせばいいだけですし、このページにはもうエピソードが入りきらないならば、後ろのページに移して…と、とても簡単にストーリー構成ができます。また、不要なエピソードも別のノートにまとめて貼っておけば、いつか別の形で再び使うことができるかもしれません。とても効率的な手法なので、感心してしまいました。
 パソコンのワープロなどで、エピソードをカット&ペーストしながら構成するのも効率的だと思いますが、付箋&ノート式のページごとにエピソードを見渡せることは大きな利点です。まだ決まった手法がないようでしたら、付箋を使ったこの手法、ぜひあなたも試してみてください。
 なお、ストーリー構成に関しては回をあらためて、より詳しくご紹介します。

 次回からは『キャラクター』のお話をしましょう。キャラクターの作り方・考え方についてです。どうすれば魅力的なキャラクターを作れるのでしょうか? お楽しみに!(3月19日(月)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
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