[初級編第11回]
背景を描こう(1)
 まんがの背景(バック)はおおまかにいって2種類あります。ひとつは風景などを描き込んだもの。もうひとつは集中線などの効果背景です。今回は風景にしぼって紹介します。 風景をきちんと描き込むことで、いつ(時間)、どこで(場所)などをきちんと説明することができます。人物の絵にくらべると少々地味かもしれませんが、コマに効果的に背景を入れてあげることで、わかりやすい読みやすいまんがにすることができるのです。

●1)まずは写真を参考に描こう!

 たとえば学校の建物を描くといっても、想像だけでは描けません。そこで参考にする学校が映った写真を用意します。この写真を見ながら学校の絵を描くわけです。最近はデジカメで撮って、パソコンのプリンターで出力することが多いと思います。プリントする写真の大きさを描きたいコマのサイズに合わせて、トレースするように描けばうまくいきます。
 なお、写真は自分で撮るようにしてください。絵やまんがに描いた人の権利があるように、写真にも撮った人の権利が存在します。安易に写真集などを参考に描くと、その権利を侵害してしまうことになります。また自分で撮った写真でも、風景に個人的な情報を特定できるようなもの(商店名や電話番号の入った看板など)が映っている場合は、これを描かないようにしてください。

●2)透視図法で描けばリアルに!

 ときには参考にする写真がなかったり、写真とは違うアングルで描きたい場合もあります。そんなときには透視図法という技を使って風景を描くとリアルに表現できます。透視図法には、2点透視、3点透視などがありますが、ここでは簡単な2点透視図法を紹介しましょう。  下のイラストのように、地平線上に2つの点(消失点)を設定します。そこから放射線状に基準線を鉛筆で引きます。平行に配置される窓枠や外観をこの基準線をもとに描き込んでいきます。この2つの点の間隔を広くとるか、狭くとるかによって絵はかなり変わります。あまり狭くとると、不自然に見えてしまうこともありますので、いろいろ試してみるといいでしょう。

●3)線に強弱をつけよう!

 下のイラストを見てください。均一な線で背景を描いてしまうと、とても平板で不自然に見えてしまいます。背景の基本は線に強弱をつけることです。遠くのものは細く、近くのものは太く、また光があたって輪郭がぼけるようなところは細く、影になって暗くなりそうな部分は太く描きましょう。いちいち描くペンを変える必要はありません。ペンに込める筆圧に強弱をつけ、太い線・細い線を描いてあげるといいでしょう。
 なお背景を描くには定規を多用することになりますが、あえて定規を使わないで、フリーハンドで描くことで、線に暖か味を出すこともできます。

●4)適度に省略する!

 特に写真をもとに風景を描くと、必要以上に描き込んでしまい、ゴチャゴチャした背景になってしまいがちです。この背景で何を伝えたいのか、たとえば『ここが学校帰りの路地であることがわかればいい』なら、遠方のビルや人物までは描き込まなくてもいいわけです。下のイラストのように背景をすっきり省略することで、見やすいコマになります。
 なお、背景がゴチャゴチャしがちな中に、目立たせたいキャラクターがいる場合は、そのキャラクターのまわりを白くフチどってあげると、人物だけを浮かび上がらせることができます。

 背景は楽しい絵ではないかもしれません。描くのに時間もかかります。どうしても人物に比べて手を抜きがちです。しかし背景がきれいに描かれていると、新コミの審査でもすごく目立ちます。がんばって練習しましょう!
 次回は『背景を描こう(2)』・効果バックです。集中線やベタフラッシュなど各種の効果処理についてご紹介します。お楽しみに!(11月6日(月)更新予定)
サンプルまんが作成 (C)十神 真
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